びんごトピックス  2001年8月30日号


アサムラサキが韓国家庭料理シリーズを本格発売


 かき醤油など醤油メーカーの(株)アサムラサキ(本社=福山市東深津町五丁目20-38、本社オフィス=岡山県笠岡市茂平989、資本金三千六百万円、TEL0865・66・2727、藤井直彦社長)はこのほど、韓国の家庭料理や調味料「オモニの味」シリーズの製造、販売を本格化させた。
既に四月に発売を始めた「韓国だれ」は本醸造醤油をベースにコチュジャン、トウチジャン、テンメンジャンなどを配合、ギョウザやシュウマイ、韓国風お好み焼きのチヂミなどに合うという。辛味や酸味は抑えてあり、唐辛子やニンニクなど好みの香辛料で味を調節できる。
また人気の鉄鍋料理ダッカルビを手軽に楽しめる「ダッカルビのたれ」は今月から発売を開始、醤油をベースにコチュジャン、穀物酢、ごま油やニンニクなど多種の調味料・香辛料が配合されており、鶏肉やキャベツ、タマネギなどの材料で簡単に味わえる。有名な韓国安東産の唐辛子にニンニクを加えた「にんにく唐辛子」は唐辛子を使ういろいろな料理に利用できる。
韓国春雨を使った料理「チャプチェ」の春雨は、サツマイモ澱粉が原料、太くてコシがあり、一本が十五センチ〜十七センチと長めで、良質な部分だけを詰めている。筍、キクラゲなどの具材入り調味料がセットになっており、茹で戻して水洗いした韓国春雨と薄切り肉を一緒に炒めるだけで楽しめ、三人分が一セットになっている。調味料は醤油ベースだが、塩・ニンニクベースのセットの販売も計画している。またパッケージのデザインは、黄緑やショッキングピンクなど、韓国で実際に使われているネオンサインの色彩を参考にし、韓国風でかつ目立つ配色に工夫した。
これで「韓国だれ」「ダッカルビのたれ」「にんにく唐辛子」「チャプチェ」の四品が韓国の家庭料理「オモニ(韓国語で母の意)の味」シリーズとして出揃い、商社やスーパーなどに売り込む。また同社のホームページでも販売しているほか、レシピなども見ることができる。アドレスはhttp://www.asamurasaki.co.jp
同シリーズについて藤井社長は「韓国の家庭料理のベーシックな味は出せた。これからも良質な自社開発製品にこだわっていきたい」と自信と抱負を語る。
また同社主力商品の一つ「かき醤油」を、量、瓶のサイズともに小型化、従来の醤油のイメージを変えようと、卓上に置いてもおしゃれな百五十ml瓶をメーカーに発注しており、九月から宮島の各ホテルなどでPRする。
同社は明治四十三年創業、現在広島、岡山、東京、大阪に営業拠点を持ち、全国で販売を展開している。平成十一年にはチャーハンやパスタ、「にんにくドレッシング」など無国籍料理「宗家にんにくや」シリーズを発売、同十二年五月にはもともと社員の食事用に作った、「かき醤油」をスープのベースにする「かき醤油ラーメン」を発売、好評を得ているほか、ISO認証取得、食品衛生管理システムのHACCP対応を視野に入れた新工場の建設を計画している。


メルマガ「ふくやまイベントガイド」で福山イベント情報配信

福山観光協会や福山商工会議所、旅館組合などでつくる県観光キャンペーン福山実行委員会(会長=三好章福山市長)は八日、市内の観光やイベント情報をメールマガジンで全国に発信する「ふくやまイベントガイド」を創刊、アクセス、メルマガ購読者ともに順調に伸びている。
起ち上げ当初は一日平均二百件のアクセスがあり、二十二日現在で約一万八千件。福山の物産などをプレゼントする、第一回プレゼントキャンペーンへの応募も百十件あった。当選した十人には保命酒が贈られる。なお第二回は倉敷、福山、尾道の広域観光PRを目的に活動する「せとうち旅情」実行委員会が作成したエコーはが
き五枚セットを十人にプレゼント、応募者も増加しているという。アドレスはhttp://www.urban.ne.jp/home/events1
メルマガは第二、第四水曜日の月二回配信、購読者数は二十二日現在で約二百六十人、九割以上が市外の人。市民への情報提供と福山の観光資源の全国への告知を目的としており、九月にはエフエムふくやまで市民に購読をPRする。今後もホームページの情報を徐々に増やしていく予定。編集を担当している福山市商工労働部観光課の村上弘和主事は「観光情報のメルマガは全国的にも珍しいと聞いています。購読者数を早く千人の大台に乗せたい」と話す。


福山「虎焼」の虎屋がウェブショップで売上増

和菓子老舗の(株)虎屋本舗(福山市曙町一丁目11-18、高田信吾社長)はウェブショップ開設七周年を迎え、昨年は主力の「虎焼」を中心に年間一千万円を売り上げた。今後はさらにイントラネットの整備を進め、間接的に経費を削減していく。
高田社長が七年前、知り合いの勧めでインターネットに触れ、これは経営のツールになると直感し、ファックスで注文を受けるウェブショップを開設した。当初は物珍しさも手伝い、中元用などで注文もあったが、インターネットが浸透するにつれて多くの情報の中に埋もれてしまい、売り上げも低迷。どうすれば虎屋に興味を持ってもらえるか試行錯誤しながら、ネットサーフィンでリンクフリーのモールを数多く探し出し、根気よくリンクを貼り続けたという。その結果、検索エンジンにも掛かるようになり、一旦ウェブショップ内の情報を整理した。現在ではメルマガを月二回配信、会員には特典を紹介しながら、顧客の囲い込みを進めている。
同社長はBtoCはもちろん、BtoBの可能性に早くから着眼し、商社とも取引を拡大、大手百貨店にも福山銘菓として置かれている。今後はイントラネットで情報を一元化すると共に、仕入先にもパソコン導入を促し、ウェブ上での受発注システム化で迅速化、間接経費削減を進める。ホームページアドレスはhttp://www.tora-ya.co.jp
開設七周年を向かえ、現在では日に百五十アクセスがあるという。「ウェブショップの店長は私ですから、メールチェックや更新などすべて一人でやってきた結果、お客さんを増やすには、ウェブでやるべきことも店頭でやるべきことも同じだと気付きました」と話す同社長は、元和六年創業、約三百八十年続いてきた虎屋の第十六代当主にあたる。「各時代の当主たちも伝統を残しながらそれぞれの時代の変化にうまく対応していったのでしょう。ここ十年で社会は激変していますが、おいしくて体に良いお菓子を作り続けるのはもちろん、世界でも通用するような強烈な特長のある郷土のお菓子屋さんにするために、時代にあった和菓子の姿と伝統的な部分を両立させていきます」と意気込みを語る。
また同社長が自分のニックネームを名前にした洋風どら焼「虎ちゃん」、六月末から七月初頭にかけ同社が開催した創業祭の目玉商品、カフェオレやクリームチーズ味など五種類の「きまぐれな洋風餅」や、六月から売り出したかき氷も好調。問い合わせはTEL0849・54・7447。


豊松村の文化活動や特産品の拠点施設「豊松トマトプラザ」オープン

「陽光(ひかり)の里とよまつ」をキャッチフレーズにしている豊松村(神石郡豊松村大字下豊松七四一、岡崎斎村長)が、同村豊松一七六九の県道布賀―油木線沿いに建設していた文化会館、トマト加工場、特産品売場の複合施設となる「豊松トマトプラザ21」を完成、九月七日(金)オープンする。
当日は関係者が出席して祝賀行事を開いて複合施設の完成を祝う。
この施設は道の駅の役目も担うもので、同所の敷地四千二百三十八平方mに、鉄骨造り平屋建て八百六十平方mの「陽光の里文化会館」、同造り五百四十平方mの「陽光の里販売施設」、同造り二百三十三平方mの「トマト工房」が棟続きで建設している。
外観は黒瓦葺き、木造、白壁の和風を基調にデザインされ、周囲の景観にマッチしている。
文化会館は、ステージを備え、電動移動席で二百八席を設けている。内部には研修室二室、管理室もあり、各種の催しに使う。
販売施設は、特産の神石牛を販売する精肉店、食品店など五店舗がテナント入店して特産品などを販売するほか食堂も開設する。
トマト工房は、県内でも最大の産地として知られるトマトを加工するケチャップ加工室、菓子加工室、ジャム加工室、アイスクリーム加工室を設ける。ほかに原材料や製品の入出荷のためのトラックヤード、事務所、従業員の休憩室下処理室などもある。また、出荷できなかった完熟トマトを使って加工品の開発もする。ここで生産される加工品は同施設で直売するほか、福山市南蔵王町に開店しているアンテナショップ「神石高原まるごと市場」でも販売する。
同村はこんにゃくや水稲が主な産物だが、最近では平成十一年に全施設が完成したトマト団地で生産されるトマトが同村の生産高トップに成長している。
敷地内には約三十台の駐車場もある。施設の設計・監理は村上信夫建築設計事務所(福山市)、施工は三島産業・村上建設共同企業体。大和建設・宮脇建設・横山建設共同企業体。総事業費は約四億八千万円で、国からの補助金も受ける。



こぼれ話  2001年8月30日号

天候や害虫が警鐘! 全方位予報の経営を

今年の夏は暑かった。熱中症という言葉も健康上の注意として日常的に話された。
気象台福山測候所によると七月の平均気温は27.6度で、平年気温の26.1度を1.5度も上回り、この夏の最高気温は八月四日に36.2度を記録した。
中国電力の最大電力も八月三日に千二百万二千キロワットと記録を更新。酷暑は仕事の生産性を低下させもしたが、この不況期にエアコンのメーカーや販売業者を活気付け、体の渇きが求めて止まないビール、清涼飲料の売り上げを押し上げた。
住友生命総合研究所が二十日発表した試算では、夏に気温が一度上昇したときの経済効果は千二百億円だそうだ。ただ不況期には「エアコンにお金がかかったから秋の行楽やおしゃれは少し控えよう」という心理も働く。今後の消費が気にかかる。
少し話は変わるが、今春には三原市を中心に森林病害虫のマイマイガが五十数年ぶりに大発生。門柱がまだら模様に見えるほど群がり、庭木まで毛虫に食い荒らされた。
七月二十六日には広島県農林水産部が水稲の斑点米の原因になる病害虫カメムシ類発生の注意報を発令。県のすくい取り調査による虫数は、平年367.3に対し今年は1051.2と2.86倍に達し、全国では広島県を含む十道府県が注意報、福井など三県で警報を発令している。
こうした天候や虫たちの異常は同じ地球で生きる傍若無人の人間たちに警鐘を鳴らしているようにも思えるが、異常気象が続けば、いずれどの産業も悪影響をこうむる。
異常でなくとも天候変化に業績が左右される業種はたくさんある。レジャー産業はお盆休みに土砂降りの雨が続くと、売り上げに天と地ほどの差がつく。すし店の売り上げや造船工場の生産性なども間接的に影響を受ける。
こうした背景に損保や銀行(仲介)がこぞって投入したのが金融派生商品の天候デリバティブ。当地方では広島、中国、広島総合の各行が今年から、悪天候の場合はお金がもらえる天候デリバティブの取り扱いを始めた。まだまだ理解不足の商品で契約企業は少ないが、関心を寄せる企業は増えているという。
天候に左右される業種には安心感が買えるおもしろい商品だが、あくまでも保険的な商品。天候に加え経営環境そのものが天気予報より読み難い時代。全方位の予報に注意する経営に努めたい。(J)

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