びんごトピックス  2001年9月10日号


福山ハゴロモ食品が全国22番目HACCP認定取得

給食弁当・惣菜類製造の福山ハゴロモ食品(株)(福山市箕沖町95-2、資本金一千万円、TEL0849・54・5757、平地康嗣社長)は八月三十一日、(社)日本炊飯教会(東京都)から、同社炊飯センター工場炊飯ラインを対象に、施設・手法のHACCP認定を取得した。
同社では平成十一年四月より同認定取得に向け取り組んでおり、昨年の十二月にはHACCP対応炊飯工場の稼動を開始した。稼動後もラインにおける清潔区域と汚染区域を仕切るため、パスボックスと呼ばれる部屋を区域の境界に作るなど手を加え、設備を改善することで基準をクリア、施設認定に備えた。
また手法認定に向けては、既に社内に設置されていたHACCP委員会の責任者、生産部の高田猛ライン長が、今年の三月に東京にある食品会社の認定工場を見学して検査合格のためのノウハウを研究、七月には日本食品協会が主催するHACCPの研修に出席して修了証を獲得し、食品の安全性を確保する作業工程での手順化、文書化の重要管理ポイントを整理した。チェック項目は総括表に始まり、各種日報や作業手順、温度記録やトラブル報告書など多岐にわたるが、社内でのノウハウ落とし込みを徹底、八月末で認定取得を実現した。
HACCP施設認定・手法証明取得に向け取り組みを進めている企業の中でも、同社は全国で二十二番目、中四国では二番目の取得で、今後は取引先などへの取得証明書提示で信頼を拡大、さらには同社製品販売店舗内への掲示など、末端ユーザーにも目に見える形で炊飯技術の安全性をPRしていくと同時に、同認定維持への努力も含め、品質管理や衛生管理のさらなる徹底を目指す。
また同社は(社)日本炊飯協会から米の食味の格付け認定で最も品質が高いとされる「A SPECIAL」認定を既に取得、菌検査、精米品質の検査などの科学的数値基準をクリアすることで品質維持に努めており、二回目の検査も合格、今回取得したHACCP認定と合わせ安全性と高品質をPRしていく。
平地社長は「認証取得に慢心せず、励みにすることで品質のレベルアップ、衛生管理の徹底を進めていきたい」と気を引き締めている。


愛グループが尾道に結婚式場ラ・ヴィオラをオープン

結婚式、葬祭式場経営、仏壇販売など愛グループの(株)日本セレモニー(本社山口県下関市、グループ総資本金一億一千万円、神田忠社長)は二日、結婚式場旧マリベール尾道(尾道市栗原町9880-8)の改築を完了し、「ラ・ヴィオラ」としてリニューアルオープンした。
同日、プロのモデルによるブライダルファッションショー、チャペル挙式や人前式の体験会などのイベントを盛り込んだオープニングフェアを開催、同式場は訪れたカップルなど約千三百人で賑わった。
ラ・ヴィオラはイタリアゴシック様式を再現した外観で、ハード面ではイタリア製の家具やバーカウンターなど、ヨーロッパ調アンティークで統一した。また挙式の性格が、よりプライベートなものへと変化している中で、流行のハウスウェディングに対応した作りに重点をおき、各百四十人、八十人収容可能なバンケット二会場が完全に独立、他団体と終始接触することがないのが特長という。また、要望に合わせた生花装飾や料理など、ソフト面での充実も図る。
同グループは今後、三原、尾道、福山で次々と式場や葬祭会館を改築、新築するなど、備後で積極的に展開していく。十月七日には旧マリベール三原(三原市宮沖5-6-5)を「オーチャード」に改築してオープンさせ、同二十八日には旧マリベール福山(福山市佐波町181-1)を二階に仏壇販売の合掌堂を設けた「福山典礼会館」に改築オープン、十一月十一日には「尾道西典礼会館」(尾道市栗原西2-2-8)を新築オープン、十二月二日には旧中国葬祭社福山店(福山市南蔵王町4-15-15)を「福山東典礼会館」に改築オープンさせる。


外林などエヌエスグループが100円均一菓子売場を全国展開

菓子卸の(株)外林(福山市卸町6-4、資本金二千万円、TEL0849・20・3777、外林久忠社長)が全国の菓子卸二十二社と共同で組織している「エヌエスグループ」は、スーパーやドラッグストアなど小売店を対象に、収益不振の続く日用雑貨売場を、百円均一のPB(プライベートブランド)菓子の「百円均一連続売場」に変えていく事業を展開しており、来年五月までに千八百店の導入を目指している。
昭和五十九年に発足、平成五年から同社が事務局を担当、外林社長が副会長を務めているエヌエスグループは、発売十八年目となるPB「自然味良品」に加え、豆、珍味主体で平均一三〇%の伸張率を誇る「個食美学」、百五十円の価値のある商品を百円で提供するため価格・品質共に割り得の「NS―15」、和と洋の半生菓子を揃えた「ハミング」、少量で割安な「穂風浪漫(ほふうろまん)」、健康志向の「すこやか」の六種のPBを確立しており、一店舗あたりのゴンドラ(商品棚)本数を多く設定する提案が可能になった。百円均一連続売場導入により、商品回転率の向上、集客効果による各店舗の収益拡大が期待できるという。初期に導入した徳島県のドラッグストアなどの、予想を大きく上回る成功に自信を深めた同グループは、積極的に営業を展開、日用雑貨の不振や商品の低価格化を背景に、契約店舗数は初年度の半年間で千社を突破。来年五月までの目標千八百店舗をクリアするのは確実と見ており、二〇〇三年春の目標を三千店舗に設定した。七月には東京、大阪、福山で展示会を開催、ふくやま産業交流館ビッグローズ(同市上岩成字正戸)では二日間で約二百社、延べ三百五十人が集まり、モデル売場を体験してもらうなどPR、今後も各地で開催する展示会などを通じて積極展開していく。
なお、同グループは売場の提案として、PBと通常商品の比率を六対四にするスーパー向けのタイプと、五対五にするドラッグストアやディスカウントショップ向けのタイプの試験導入を進め、実績を拡大すると同時に、百均連続売場内のPB構成比も各店舗に合わせて提案していくことできめ細かい対応を図っている。さらに海外でのPB開発を積極的に進めており、PBの一層の充実を目指す。


エーアイがネット管理の「e―図面」発売

ソフト開発の(株)エーアイ(福山市南手城町三丁目9-23、資本金一千万円、TEL0849・27・1333、小川昭社長)は一日、インターネットを経由して図面の検索閲覧及び管理ができる「e―図面」の販売を始めた。
e―図面は基本ソフトに富士通のマルチメディアデータベースソフト「Jasmine」(ジャスミン)を利用、検索は図面番号検索と製品からの絞り込み検索が可能とした。検索や管理方法は(株)アドテックプラズマテクノロジー(福山市)と共同開発した。
図面の登録はCADなど設計図面作製ソフトからPDF(アドビ社の閲覧形式)に変換してサーバー登録する方法と既存の設計図面をスキャナーで取り込んで登録する方法の二通り。図面のほか静止画、動画、音声、テキストなども登録管理できる。
図面利用者は海外でもインターネットを経由して登録サーバーから図面などを閲覧できる。利用者の認証やデータ送信は高度のセキュリティーを確保しているが、年内十一月ごろをメドに指紋認証システムも加える。
e―図面の利用により社内では図面探しの事務処理のスピードアップが図れ、海外など出張先でも図面が閲覧できるため、顧客に納入した機器の保守作業などに威力を発揮するものと期待される。
e―図面のソフト(Jasmine込み)は五ユーザーまで同時アクセス可能なタイプで九十五万円から。機器メーカーや建設業など中小企業への普及を目指す。
同社ホームページでも代理店募集要項と製品仕様などを掲載している。URLはhttp://www.ai-inc.co.jp



こぼれ話  2001年9月10日号

相次いだ会議・大会 交流都市尾道の課題

JR尾道駅前のしまなみ交流館(テアトロシェルネ)と市内のホテルで大きな会議が三つ続いた。
一つは中国地方で持ち回りで開催されている中国地方の観光振興を考える会議で、国土交通省副大臣、県知事を招いての開催。
もう一つは電力に関係した学会の会議で、尾道では初めての国際会議となった。
あと一つは繊維に関係した学会の会議で、三件の講演とファッションショーが一般公開されるという開催地へのサービス付きで開かれた。
それぞれ優秀な頭脳が集まったアカデミックな会議。後者二つの会議は数日の開催期間中、朝から晩までテーマごとに数々の会議、セミナーが続き、疲れた人も多かったと察せられる。
しかしアカデミックな会議では、缶詰で特訓する営業マン研修とは違い、参加者が数あるセミナーの中から参加するセミナーを選び、その合間には市内の散策など個々にリラックスしていた。
主催者側もホテルでのウェルカムパーティーや半日程度のしまなみ観光をプログラムに加え、初めて訪れる参加者の便宜を図った。
国際芸術文化都市として瀬戸内の交流拠点を謳う尾道だが、三つの会議はまさにキャッチフレーズ通りの出来事。今月は中国地方商工会議所女性会連絡協議会も予定されており、今後も尾道を集合地点とする会議、大会が続くことに期待が寄せられる。
大きな会議、大会の開催地になるには受け入れる器はもちろん、空港、鉄道、高速道路などインフラ条件がそろっていることが前提。さらに選ぶ側の心情は、その地の観光的魅力度も重視する。
こうした条件に加え、最後は受け入れ側の熱意がものをいう。人脈を通じて誘致し、主催者の心を動かす人物がいるかどうか。開催地となれば多大な準備に追われる。そうした準備を地元ならでは味付けでできるかどうか。初の国際会議となった電力の会議では、尾道市が手作りの英語マップを作成するなど協力を惜しまず、主催者から感謝の声が聞かれた。
逆にJR尾道駅構内では英語の案内看板を出すことも許されず、主催者人員が手持ち看板で対応した。飲食店に英語のメニューがあれば便利とも聞く。ハード的インフラに恵まれても、ソフト的な障壁があっては交流拠点もままならない。ソフト面でも交流拠点にふさわしい、さらなる整備が望まれる。(J)

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