びんごトピックス  2002年1月30日号  表紙写真


サトウチューが中国生コンクリート松永工場継承

建築材料、住設機器販売等の(株)サトウチュー(福山市東村町466-2、資本金一千五百万円、佐藤博昭社長)は、市内柳津町3丁目2-6で操業している(有)宍戸商会(尾道市十四日元町7-18、宍戸靖邦社長)の生コン工場、中国生コンクリート松永工場の事業を継承することになり、二月一日から新体制で操業を始める。
生コン事業は、昨年十二月十八日付けでサトウチューが別途設立した全額出資の子会社、(有)福山スミセ生コン(福山市柳津町3丁目2-6、資本金九百万円、佐藤博昭社長)が運営に当たる。
中国生コンクリート松永工場は、昭和四十三年十月操業を始めた生コン工場で、宇部三菱セメント系、従業員十人、県東部を商圏に建設業者を主に納品、年商二億五千万円で推移していた。宍戸商会は、昭和二十二年個人創業、四十一年会社設立しており、今回の事業全面譲渡で会社経営から撤退し、業歴五十五年の老舗が姿を消すことになる。
福山スミセ生コンの、スミセは、サトウチューが特約店の住友大阪セメントの住友のスミとセメントのセから名付けた略称。
サトウチューは、建材販売の老舗で、創業百周年を迎えたのを機にCIを導入、社名を(株)佐藤忠七商店(尾道市東尾道9-2)から現社名に改称、本社を現在地に移転した。明治二十一年創業、昭和二十四年会社設立、今年で創業百十四年目を迎える。現況は、県東部を商圏に、地場建設業者を主に建材、住設機器販売、関連工事などで年商三億五千万円、関連会社に(株)アートレンタリース・センチュリーがある。


純正食品マルシマが初店舗「ティ・ナ・ナ」開店

(株)純正食品マルシマ(尾道市東尾道9-2、資本金一千万円、杢谷正樹社長、TEL0848・20・2506)は二十四日、市内山波町342-1の国道二号線沿い(オートバックスから約五十m東)に自然食品や天然素材の生活用品を販売する初の直営店、オーガニック&ナチュラル「TiNana(ティ・ナ・ナ)」をオープンさせた。
ティ・ナ・ナ(=フィジー語でおかあさんの意、TEL56・1715、寺岡照子店長)の販売商品は、同社が香川県小豆島で製造している有機純正醤油や市内で製造している有機きな粉、しょうが湯のほか、味噌、菜種油、ケチャップ、漬物、ふりかけ、佃煮、お茶、菓子製品などの自然食品、野菜などの生鮮食品、天然素材にこだわった石けん、化粧品などの生活用品など。営業時間は午前九時三十分から午後六時まで。
オープン記念セールでは穀物ブレンドおにぎり、天然ニガリ国産大豆とうふ、玄米餅入りぜんざい、天然酵母パンなどの試食会、無農薬野菜市などを行い、主婦層を中心にした多勢のお客でにぎわった。
同社は昭和三十一年に丸島醤油(株)(小豆島)の尾道営業所として自然食品調味料の卸販売を開始。昭和五十六年に現社名に変更、平成十二年には現本社地に大型倉庫を新築している。小豆島で伝統製法の醤油製造を守りながら、尾道市内でしょうが湯、きな粉なども生産。醤油、きな粉、生みそなどの製品は日本農林規格登録認定機関によって有機食品の認定を受けている。
現在、同社が取り扱う商品は、生鮮食品を除くほぼティ・ナ・ナで販売している商品群で、自然食品を中心に天然素材の生活用品にまで及んでいる。販売先は東京、大阪方面のスーパー、百貨店、こだわりショップなど。年商は約二十億円。


北斗電機工業が遠隔監視システムや緊急通報装置を製品化

自動制御装置電装工事などの北斗電機工業(有)(福山市草戸町1-21-34、資本金三百万円、丸山孝志社長、TEL0849・22・1061)はこのほど、低価格の遠隔映像監視システムと、ストーカー対策としての携帯電話型緊急通報装置を改良した新製品を相次いで開発、販売を開始した。
ホームページ作成や備後地域情報サイト「InfoGate」運営など、積極的にIT事業を行っている同グループ内で開発した遠隔監視システムは、業務用に耐えうる精度を確保している市販レベルのウェブカメラを使用することで低価格を実現したもの。ウェブ上でその画像を見られるHP製作、通信設備など環境設定を行う。回線の通信速度を上げれば動画の送信も可能。手軽に使える点をPRしたいとする丸山社長は「商品の適正価格を知ってもらいたい。当社が頂くのはノウハウなど付加価値の値段。コンピューター導入からなら、カメラ屋内設置で初期費用五十万円程度です」と話している。なお、既にIネット環境が整っていれば初期費用約十万円で可能。維持費用もプロバイダー費と通信費。現在ゲームセンターなどを中心に引き合いがあるという。
またストーカー対策として警察が被害者に貸し出す携帯電話型緊急連絡装置を小型化、音声を改良した新型も開発した。既に納入した広島県警のほか各県警、警備保障会社や高額商品を運送する業者などが対象。
警察での利用例では、被害者に「通信装置本体」を貸し出し、警察側は受信確認の「トーンコマンダー」を持つ。被害者はあらかじめ通報先電話番号を設定した携帯電話と通信装置本体を接続して持ち歩く。身の危険を感じた時にボタンを押すと、警察側が受信。緊張などで声が出ないことを想定して先に録音しておいた被害者のメッセージが聞ける。また受信を確認した警察は、携帯電話を通じて状況確認や被害者との会話もできる。
電波が途切れても、受信が確認できるまで一定時間内で連続して逆信し続ける「再発信機能」が特徴。ドコモとauの携帯電話に対応する。丸山社長は「被害者は声を出さなくてもいいから相手に気付かれずに通報できる。現場の意見を最優先に開発した製品です」とPRしている。HPでも紹介しており、アドレスはhttp//www.hokutogr.co.jp /
同グループは、船舶電装工事が主力。国内のバルコンの一五%を製造する北斗電子テクニカ(有)(同所、同社長)では、バルコンの小型化を進めるため、積極的に研究開発を行っている。
なお北斗グループは、福山のグリーンラインの清掃、後山公園園地修景事業など環境整備に取り組む「グリーンラインを愛する会」(代表世話人=丸山社長)の事務局を北斗電機工業内に置いて活動している。社内の事業としても取り組んでおり、行政や企業、市民との垣根を越えた新しい市民運動の実現を目指している。同社長は「地元が元気でなければ、北斗グループも元気になれないとの観点から活動しています。この一年で後山の景観は本当に変わった。ボランティアと特別視せず楽しんでいます」と話している。


福山北産業団地に備後漬物、こだま食品、なかやま牧場、備後通運、ホーコス

福山市が造成した福山北産業団地(福山市駅家町・加茂町)で進出企業の新工場が二月相次いで操業開始新たに建設工事が始まるなどすでに稼働している工場と合わせ活気をみせている。
二月下旬操業を予定している備後漬物協同組合(福山市引野町2丁目18-22、出資金三百万円、佐藤光信理事長)は、同所の敷地一万六千五百七十六平方mに、鉄骨造り平屋建て一部二階、延べ床面積一万一千五百七十六平方mをほぼ完成、最後の整備を急いでいる。同協組は備後漬物(有)、サフコ(有)、備後ピクルス(株)ビンゴ流通サービスの四社が加入して設立したもので、四社の製造機能を全面移転して集約化する。和風キムチらっきょ漬けなどを生産する新工場はHACCP対応の新鋭工場で、ISO取得も視野に入れた体制を整備初年度売上高百億円を目指す投資額は約十五億八千万円。
二月中旬の稼働を予定しているのが、こだま食品(株)(福山市南手城町4丁目26-25、資本金二千万円西山学社長)、すでに工場は完成している。新工場は、敷地六千七百八十六平方mに、鉄骨造り一部二階建て延べ床面積約三千平方m、一階が工場で、二階部分が本社事務所、現在は市内や周辺に分散している五カ所の工場を集約化して本社も移転、大幅な合理化を図り、外注していた粉末野菜製造部門も自社製造に転換する。また、工場はHACCPやISO取得を目指した最新設備を設置している。
同社は、昭和四十七年一月設立、乾燥野菜製造主力に、粉末野菜・錠剤製造、健康食品製造、広島菜漬製造などの食品製造業者。最近の年商十二億五千万円、新工場が稼働して三年後の年商は二十一億円見込む。
新工場の建設を進めているのは、工作機械製造のホーコス(株)(福山市菅田秦介社長)、現在は鉄骨工事が進められている。
(株)なかやま牧場(福山市、中山伯男社長)、当社一月二十日発行第一四三四号で報道済み。
建設工事に着工したのが備後通運(株)(福山市、本間宗光社長)、備後漬物の新工場完成で、その製品の物流業務を引き受けるための施設を建設する。備後漬物の北側に隣接している。
すでに操業しているのは、中国新聞社、マルエス紙工、アイゼン商事富士ベンダーサービス。
福山北産業団地は、市内駅家町と加茂町にまたがる産業団地で、九ブロックに分かれ、二十区画されている。



こぼれ話  2002年1月30日号

前倒しが切望される 三原―尾道の大動脈

激しい渋滞が日常化している三原市中心部内。西側半分ながら、急ピッチで進む三原バイパスの建設効果で、ずいぶん緩和しそうだ。
三原バイパスはすでに中心部の中之町ランプから西へ三・五キロの頼兼町ランプまでが供用中。しかしこの区間は国道2号線と接点を持たない並行区間で、中心部の混雑を解消する決定打とはいかなかった。それでもかなりの効果が数字として証明されており、さらに今年四月の連休前に開通させようと工事を急いでいる頼兼町―新倉町ランプ間の新倉町ランプは、国道2号線との接点で初めて2号線とバイパスが合流するという大きな意味を持つ。
2号線と合流する新倉町ランプは福山通運(株)三原支店(三原市新倉町564)の東隣。東広島方面から福山方面へ向かう車は新倉町ランプから三原バイパスに入り、四・八キロのバイパスを走ってJR三原駅の北東部に位置する中之町ランプで降りることになる。国土交通省福山工事事務所も三原バイパスの利用車両の大幅な増加を予想、利用台数を一日当り一万台と見込んでいる。
中之町ランプから北側へは山陽自動車道尾道インターに通じることから、北へ伸びる県道三原―尾道線の拡幅工事も順次整備を進めている。すでにランプ周辺では完了しているが、予想通りに進めば、さらなる拡幅工事促進も求められる。
バイパスがまったくなかった三原市内は国道2号線を一日当り約三万二千二百台の車が通行しており、平成十一年に観測されたピーク時の旅行速度は時速十九キロ。急ぐ自転車ほどの速度で、渋滞が最も激しい東城分かれ交差点では西へ通過するのに二十二分もかかっていた。それが三原バイパスの一部区間供用だけでも七分に短縮、十五分もの短縮効果を生んでいる。三原バイパスが全通すると、新倉―糸崎間の通過は三十二分から十分となり、二百億円以上の経済効果があるという。
今後は中之町ランプから東へ、五本のトンネルと三本の橋梁、一本の高架橋で糸崎町ランプまでの五・一キロを結ぶ二期整備区間が残っており、全通時期は未定ながら平成二十年代前半が期待されている。
まずは三原バイパスの全通実現だが、さらに夢は広がっている。糸崎町ランプで終わっていたバイパス計画は画期的な変更が加わり、約三・八キロの木原道路を新設し、尾道バイパス西端に直結させる計画へと向かっている。
この木原道路も完成すれば、新倉町ランプからバイパスを使って赤坂バイパスの東端交差点(計画中の福山道路入り口)まで信号のないノンストップが可能となり、東西の移動は飛躍的に改善され、多大な経済効果を生み出すに違いない。福山の商業的吸引力が強まる一面もあるが、三原に記せられていた汚名「山陽筋の交通難所」は返上される。
三原―尾道の大動脈がスムーズに流れれば、経済交流も活発になり、行政の境も緩む。合併特例法の期限、平成十七年三月には間に合わない夢の話だろうが、合併論議にも大きな影響を与える。不況の今こそ前倒しが望まれる公共事業だ。(J)

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