びんごトピックス  2002年8月10日号 
 
表紙写真


シャープ三原工場で青色レーザー生産開始

シャープ(株)(大阪市阿倍野区長池町22-22、町田勝彦社長は、七月三十日、三原工場(三原市沼田西町惣定、県営三原西部工業団地)の竣工披露式と工場見学会を行った。
当日は午前十一時から竣工披露式に町田勝彦社長と工場関係者、藤田雄山県知事、小島敏文県議会副議長、五藤康之三原市長、伏見暁三原商議所会頭ら来賓も出席した。
見学会は担当者が見学者通路からクリーンルームの生産ラインを説明しながら約三十分で見学を終えた。
見学会終了後に開かれた社長インタビューで、CDやDVD向けの赤外、赤色半導体レーザーのほか、次世代の大容量記憶メディア用の光源として需要の大幅な伸びが期待できる青色レーザーを来年末をめどに生産することを明らかにした。すでに工場内のクリーンルーム内に二台の試作機を設置してテスト運転しており、業界でも初めて試作機も披露した。
同社は赤外レーザー、赤色レーザーの生産では世界シェアの五〇%を占めている。三原工場では、放送映像の高精細録画や、インターネットの大容量データなど記録に最適な媒体としてCDやDVDなどの光ディスクの利用がさらに進み、これら機器向けのキーデバイスとして半導体レーザーの飛躍的な拡大が見込めるとして、当初計画の九月操業を二回にわたり前倒しして五月から稼働を始めている。現在は従業員百人で月産五万個の生産を見込んでいるが、二〇〇五年までには従業員を三百人体制に引き上げ、月産千四百万個規模に拡大する計画。さらに青色レーザーの生産拠点とするとしている。
三原工場は、敷地八万九千四百二十三平方m(甲子園球場の2.2倍)に二階建て、延べ床面積一万四千平方mの工場を完成しており、投資額は百八十七億円。
県内には東広島に携帯電話機写メールなどの生産で活況を見せている広島工場、IT不況から脱して近くフル稼働をはじめる液晶LSI、フラッシュメモリー、アナログデバイス等製造の福山工場がある。
シャープは液晶最大手で、平成十四年三月期業績は、単体で売上高一兆三千七百二十三億九百万円、経常利益四百三十二億九千八百万円、今期は売上高一兆五千五百万円、経常利益五百六十億円見込む。


府中市ごみ固形燃料化(RDF)施設ほぼ完成

府中市が同市鵜飼町の市クリーンセンター敷地内に建設している「府中市ごみ固形燃料化施設」がほぼ完成し、五日報道関係者に公開された。
この施設は、鉄骨造り地下一階、地上五階建て、延べ面積六千平方m、内部には一時的に可燃ごみをためておくごみピット(横十九・四m、奥行き九・三m、深さ七・二m)は五日分のごみ計三百トンを収容できる。各種機器が設置されコンピュータ制御される中央制御室などを見学、可燃ごみを乾燥、圧縮して固形燃料化(RDH)する工程などを説明した。
一日八時間稼働で最大六十トンのごみ処理能力を持つ、総事業費は三十七億二千万円、八月十九日から試運転を始め、十月から本格稼働する。
ごみ固形燃料製造は、家庭や事業所から出るごみ袋に入れられたごみを、破砕機で破砕し、乾燥機で含水分10%以下に乾燥させ、磁石選別機・アルミ選別機を使って鉄・アルミを除去する。ごみは数cm以下の細かく乾燥したものとなり、これに少量の消石灰を添加、混合した後、RDF成形機によってチョーク状の固形燃料となる。RDFの特徴は、ごみに比べ発熱量が高い、品質が安定している。腐敗しにくく長期保存が可能、貯蔵・輸送時の操作性が良い。
この固形の燃料を使って稼働するRDF発電事業は、県やNKK、福山市など県東部の市町村が参加して設立した第三セクター、福山リサイクル発電(株)が、福山市箕沖町に発電所の建設を進めており、平成十六年に稼働を始める予定。
RDF発電の特徴は、従来の廃棄物発電で発生する塩素腐食を抑制することができ、高効率発電が可能となる。また、ダイオキシン類の発生も抑制できる。


フローリッシュが高橋秀幸氏作品「UOVO」販売

 生花・鉢物・植木・野菜・果物販売などの(株)フローリッシュ(福山市南手城町2-21-4、資本金二千万円、真壁和之社長、TEL084・973・4587)はこのほど、尾道の彫刻家高橋秀幸氏の作品をプロデュースする新事業を開始、来春にはニューヨークからブランドとして情報発信するため準備を進めている。
同社新事業部のアンジェリコ(イタリア語で天使の意味)事業部がプロデュースする作品はたまご型の陶磁器「UOVO(ウオヴォ)」。高さは約十八センチ、ゆるやかな波型の切り口で上部と下部に別れ、中は空洞、上部には羽根が付いている。高橋氏によれば、舞い降りた天使が隠し忘れた羽根という。底面には高橋氏のサインがある。コンセプトは「舞い降りた天使の卵」で、「人に物を贈る際、幸せを共有するためのパッケージオブジェ」として、全国のギフトショップやエステティックサロン、宝石店などでの販売を見込んでいる。早ければ今月下旬から納品が開始される。
来春ニューヨークで開かれるギフトの展示会にも出品する計画で、国内より先に欧米での評価を得てから、改めて国内にもPRしていくという。昨年のニューヨークのテロの後、高橋秀幸氏と真壁社長とで「幸せの共有」をコンセプトにした作品を検討。パッケージとしての役割りを持たせることで、中に入れた贈り物が届く喜び、印象的なオブジェとしての楽しみ、その時の感動をいつまでも保ちつづけられるという思いの込もった作品に仕上がったという。岐阜県にある陶磁器メーカーの協力を得て量産する。一個八千円(税別)。年間販売目標は九千個。真壁社長は「芸術性と感動、かつ稀少性を大事にしながら徐々に販路を拡大し、最終的には日本全体をUOVO化し、幸せの共有を実現したい」と意欲を話す。今後はTシャツなど繊維製品でもUOVOブランドを展開していく。今月末にはホームページも開設する予定。
高橋秀幸氏は昭和五十六年、第一回高村光太郎大賞展優秀賞の受賞以降、数々の展覧会への参加やモニュメントの製作に携わっている。平成六年にはムゼイオン・プロジェクトを創設、三原市中之町の学校法人山中学園如水館高等学校の校舎設計・監修も手掛けた。尾道市の林芙美子像も同氏の作品。


ビル管理のモリタ美研が院内細菌検査で実績拡大

ビル総合管理、警備保障などの(有)モリタ美研(三原市宗郷町263、森田博文社長、TEL0848・64・3824)は五年前から始めた病院の院内細菌検査が好調、病院を大賞とした事業を拡大するなど、病院に関する新しいサービスの拡充を図っている。
同社はビル管理業の中でも病院が八割を占める。五年前、院内感染が世間で注目されるようになる以前から、病院の床や院内の空気に含まれる細菌を検査し消毒するサービスを他社に先駆けて開始。空中浮遊菌を測定するため、エアーサンプラーで病院の手術室などから持ち帰ったサンプルを、寒天培地で培養して検査する設備など同社内の研究施設を整え、病院での実績を順調に拡大。その後病院に関するサービスの拡充に努め、清掃、設備管理、夜間警備なども手掛けるようになった。現在では病院からの産業廃棄物収集運搬も行っている。御調郡御調町と因島市州ノ江町に営業所も開設しており、県東部が主な営業エリア。
この十月に創業三十周年を迎える同社はこのほど、手狭になっていた事務所の増改築工事を完了。今後も病院を顧客として新しいサービスを展開していくため、技術者の人材募集も積極的に行う。同社の古内英明副社長は「満足していただけるサービスを他所に先がけて開拓してきた。市場はこれからも拡大する。付加価値の高い提案で生き残りたい」と話す。



こぼれ話  2002年8月10日号

住基ネットの番号配布 赤子泣いても教えるな

住民基本台帳ネットワークシステムが八月五日から動き出した。様々な議論とトラブルもあるが、コンピューターネットワークに共通した固有番号(データ)が存在すると、絶大な合理化効果をもたらす。住民の利便性を建前にした二百六十四事務に止まらず、大胆な合理化により公務員半減を実現して欲しい。ただし小泉総理も口にした通り「人間のやることだから…」を前提にミス対策と防犯対策の徹底はもちろん、人間がコンピューターに慣れる相応の時間も必要だろう。
さて、そろそろほとんどの方が自分の番号(住民票コード)を目にされたと思われる。ここで行政の立場からは言えない重要な注意点をお知らせしたい。それは「他人に教えない」だ。法律で「他人の番号を聞くこと」は禁止されているものの、自ら教える行為を規制する訳にもいかず、「大切に保管してください」との説明からは、教えることのデメリットが分からない。
例えば、住民票の写しを代理人に委託する場合はどの程度気遣えばいいのか知るよしもない。当面は住民票の写しがいる場合も番号は不要。日常生活では転居時も含めて番号提出は条件にない。だから人には教えず、これまで通りの生活がお勧め。来年のICカード発行までに残る課題の克服を望みたい。

運に公平はない?

尾道商工会議所で秋に行われる共済制度還元バスツアーの抽選会が開かれた。二百八十事業所の当選に対して九百四十九事業所から応募があり、当選倍率は3.4倍。毎年応募してもなかなか当らない人も多い反面、毎年当っている人もいる。
不正?…断じてそれはない。抽選会に立ち会った者として厳正さは保証できる。応募はがきは前面が透明な箱に入れられ箱ごと何度もシャッフル、第三者が三十人ほど立ち会って交代で引き当てている。
ただ、今回当選したはがきのうち三通は赤や青で縁取りがされ、一通は裏面に立派な絵が描かれた絵画はがきだった。抽選人の目線からは箱の中が見えず、目立つはがきが選ばれることはないが、応募者の気合が違う。たまたま立会人の中にいた当選者は毎年当るそうで、はがきは大安吉日に投函するとのこと。やはり気合が違う。厳しい経済環境、気合で運も味方に付けたい。

お見舞いクーポン

今年はかなり暑い。暑さ寒さも彼岸まで。あとしばらくは汗を拭ってがんばりたい。暑さとは逆に消費マインドは冷え切っている。そんな折だからこそ、暑中見舞いをいただくと心が暖まる。
年々数は減少しており、経費削減により省略する企業も増えているようだ。ある料亭店主からはこんな暑中見舞いをいただいた。「はがきをお持ちの方には生ビール進呈」。暑中見舞いをクーポンに変える一言を添えるのも涼を呼ぶ。これから間に合う残暑見舞いに取り入れてはいかがだろう。文末ながら暑中お見舞い申しあげます。今号33ページに読者プレゼントあり…。(J)

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