びんごトピックス  2002年11月1日号 
 
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光成衡機がマニフェスト伝票発行システム拡販

トラックスケール、制御盤設計制作などの(株)光成衡機(福山市箕沖町45-2、資本金一千万円、光成誠之社長、TEL084・953・8839)はこのほど、トラックスケールの受注増を狙い、その関連システムとなるマニフェスト伝票発行システムを、同社ホームページ(アドレス=http://www.mitsunari-hakari.co.jp/)から無料ダウンロードできるサービスを開始した。
昨年四月から実施された新産業廃棄物管理票(マニフェスト)の七枚複写伝票の発行と管理が簡単にできるシステムで、建設九団体副産物対策協議会が発行する建設系廃棄物マニフェストと、社団法人全国産業廃棄物連合会が発行する一般様式両方の伝票に対応。既に鉄鋼、化学、砂利、砕石、生コンなど廃棄物を出す企業や収集運搬業者、最終処分業者など既に数千件ダウンロードされており、利用者の要望にも応えながら、汎用性を基準に随時バージョンアップを進めている。
それに比例して、同社のトラックスケール受注見込先となる産業廃棄物最終処分業者などからの問い合わせも増加。マニフェスト伝票発行システムが標準インストールされており計量から各種帳簿の作成、演算集計まで一貫処理できるデータ処理システム「TSPC―1000」の受注も好調に伸びているという。「TSPC―1000」は、これまで業者に対して個別に構築していたデータ処理システムではメンテナンスが煩雑になることから、各ハカリメーカーとの取引を生かしてどの製品にも対応できるシステムとして開発、名古屋や大阪、広島で開かれた展示会にも出展。今後は地元での営業を強化するため、システム一式を納めた専用車で処分場を回り、現場で直接提案する営業展開も検討しており、月三十セットの受注を目指す。
また本体となるトラックスケールは、スロープを設けるため深いピットの不要なピットレスタイプのTSP型、埋め込み型のTS型、薄型設計で狭い場所にも設置でき、基礎工事が低価格ですむ趙薄型フラットタイプのFTS型の三種類。データ処理システムとの組み合わせでは(1)入出口が一箇所の場合はトラックスケール・操作ポスト・信号灯の計量現場側と重量指示計・計量票プリンタ・パソコンとデータ処理システムを事務所内に設置(2)入口と出口が分かれている処分場には入口と出口にそれぞれトラックスケール・操作ポスト・信号灯を設置、事務所内にデータ処理システム・プリンタ・重量指示計二機を設ける二台制御システム(3)入口と出口のデータを別のパソコンで管理する二台連動システムなど、処分場の事業規模に合わせた提案を行っている。
同社のトラックスケールは、これまでにも中国電力(株)の各発電所などに納入されており、最近では福山市箕沖町でRDF発電などを行う福山リサイクル発電(株)(同市三吉町)でも採用が決まっている。


制電社がライブカメラで渋滞確認設置

各種自動制御盤製作、Iネット事業などの(株)制電社(福山市曙町6-9-16、時實貴美子社長、TEL084・953・4070)はこのほど、福山市内でも渋滞の激しい入江大橋付近の道路の交通状況をIネットで見ることのできるホームページ「渋滞ドットコム」(アドレス=http://www.jyutai.com/)を開設した。
同社が開発したライブカメラ監視システムの営業展開の一貫として開設したもの。ライブカメラは入江大橋の南方に設置、交差点方面か福山港方面の二方向をホームページ上で選んで見ることができ、十五秒おきに静止画が自動更新されるため、実際の渋滞状況をほぼリアルタイムで確認することができる。
ドコモのiモード、J―フォンのezwebでも見ることができ、一日で六百アクセスあった日もあるなど反響は大きく、今後も反応を見ながら他の渋滞ポイントにもカメラを設置する計画を進めている。


広島スチール工業が第1回無担保社債を発行

精密板金、鋼板加工の広島スチール工業(株)(岡山県笠岡市西茂平九番地、資本金一千五百万円、井上阿佐雄社長)は健全経営が認められ、九月三十日付けで第一回無担保社債を発行した。
発行した社債総額は一億円。利率は年〇・七%、償還価格は額面百円につき百円。(株)広島銀行と岡山県信用保証協会の共同保証付き。引受会社は(株)広島銀行。調達資金は運転資金に当てる。
同社は昭和四十四年に福山市手城町で創業。鋼板加工とともに、ミクロンオーダーの精密板金加工で電子部品の試作品づくりにも低価格、短納期で対応している。
そのほか曲げ加工用V角度センサー「職人さん」、鋼材見積りポケットコンピューター「工場長」など自社ブランドの省力化機器も製造している。またインターネット事業部でオンラインフリーマーケットの草分け的存在として知られる「芝のキャンパス」(http://www.shibacam.co.jp)も運営している。
敷地三千六百七十平方mの本社工場(建物千六百九十五平方m)のほか、少し離れた同市茂平1372-4に同七千百四十平方mの第二工場(同千八百八十五平方m)がある。従業員は四十二人。平成十四年五月の期末決算では売上高八億八千百万円、経常利益一億四千九百万円、税引き後利益七千九百三十万円を計上している。


「節電虫」がNTT―ATから12月全国発売

ケイ・イー・シー(KEC、尾道市美ノ郷町三成1998-2、釜本二代表)が開発し、省エネ大賞など数々の賞に輝いた待機電力カット装置「節電虫」が、今年十二月二日からNTTアドバンステクノロジー(株)(NTT―AT、東京都新宿区)より全国発売されることになり、NTT―ATホームページ(http://www.ntt-at.co.jp)トップの最新ニュースとしても掲載された。
NTT―ATはオフィス機器の消費電力を節約、特に待機電力はゼロにする節電虫に注目、独自の調査でFAXの電力使用量を約八〇%削減できる削減効果を確認し、今年九月の環境科学会年会でも節電虫がFAXのCO2排出量を八二%削減するライフサイクル評価が得られたと発表している。
環境コンサルティングサービスに取り組むNTT―ATは、ISO14001の認証登録・維持支援も行っており、節電虫をそうしたサービスの提供の一環として位置付け、節電虫の設計や使用部品の全面的改善に着手、効率的な生産体制も確立した。大手企業や官公庁へ販売、初年度三千台の販売を目指す。
節電虫はFAXの電源線と通信線の間に接続、送受信のセンサーは無電力で稼動するため待機電力を完全なゼロにできる。サイズは幅百三十三センチ、奥行き八十四センチ、高さ四十センチで、重量は約四百三十グラム。G3通信モードに対応する。価格は一台一万二千円。
NTT―ATでは十月二十九、三十日の二日間、茨城県つくば市で開催された「つくばフォーラム2002」に節電虫を出展、販売にさきがけたPRを始めた。
KECは九年ほど前に節電虫を考案、平成八年に本格的な商品を開発して翌九年には(財)省エネルギーセンター会長賞(省エネ大賞)を受賞、昨年は中小企業優秀新技術&新製品賞優良賞、今年は発明大賞考案功労賞に輝いている。



こぼれ話  2002年11月1日号

古の雅に馳せた思いで タイムマシーンが出現

尾道市東久保町の浄土寺で「尾道・源氏絵まつり」が開かれている。十月二十七日には境内で源氏絵茶会も開かれ、紫式部によって源氏物語が書かれた平安時代の雅を再現する趣で集まった人の心を次々に赤い毛氈を敷き詰めたタイムマシーンに送り込んでいた。
国の名勝にも指定されている庭園を御簾越しに眺める茶席、障子戸の下部分を源氏絵扇面で囲んだ茶席など平安調ムードの演出も見事でおもしろかった。有楽斎が所持していたという水指「弁慶」など美術館でしかお目にかかれないような道具もさり気なく使われていたようで、表千家、裏千家、速水流とそれぞれの席主関係者はこの日を迎えるために古の雅とはどのような生活振りだったかに思いを馳せたに違いない。
そうした苦労は帰り際のあいさつで長々と感激の礼を述べる人が大勢見受けられたことからも、尾道の文化度アップにいくばくなりとも貢献したいと願った尾道源氏絵まつり実行委員会(日暮兵士郎委員長=丸善製薬(株)会長)の目的は予想を上回る成果となったようだ。
点心席では特別公開中の源氏物語絵扇面散屏風に描かれている貴族たちがお客をもてなすためにつくったであろう貴族料理が出された。創作料理の名は「祝菜(ほがいな)」。
赤米を使った姫飯(ひめいい)を皿の中心に据え、ほかの料理が少しずつ周りを取り囲み、全十品。おしながきは解説書となっており、当時の生活ぶりを伝えている。
中央の姫飯は円筒状で高く盛り上げてある人ほど重役の意が込められており、その円筒を取り囲む料理を「あわせ」、別称で「かずもの」といい、数が多いほどご馳走だったことから「おかず」という言葉が生まれたそうだ。
源氏絵まつりに出された「祝菜」のおしながきは、1蘇(そ)…チーズ、2心太(こころぶと)…ところてん、3焼蛸(やきたこ)…蛸、脯宍(ほじし)…猪、5?魚(ほしいお)…鰯、6脯鳥(ほしとり)…雉、7蒸鮑(むしあわび)…あわび、8木果子(きがし)…いちじく、9調菜(ちょうさい)…いんげん、10姫飯(ひめいい)…赤米、ほかに香の物など。おしながきもまた(有)大丸日本料理場(尾道市)の後継者、宇根本茂さんが京都まで足を運んで創作し、食べる人がタイムマシーンに乗れるように準備された切符の一枚だった。


福山市の建設談合疑惑 徹底解明と予防対策を

恐喝未遂容疑で逮捕された総合建設業日大(福山市東手城町)専務大橋祺生容疑者に続き、福山市建設協会会長を務める一瓢組(福山市田尻町)副社長の藤井継道容疑者が二十二日、競争入札妨害の疑いで逮捕され、福山市の公共工事受注を目的にした建設業者を束ねるトップによる談合疑惑が表面化した。
疑惑は拡大し、暴力団の資金源となっている疑いにもメスが入った。黒い関係の徹底解明は警察に任せるしかないが、行政側にも寄せられる談合情報の対処方法や情報提供者への報酬制度も含めた検討があっていいのではないか。(J)

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