びんごトピックス  2003年3月1日号 
 
表紙写真


オキの太陽光発電まつり好評

「オキホーム」ブランドの住宅メーカー、(株)オキ(福山市南松永町1丁目16-13、沖裕人社長、TEL084・933・3177)は二月二十二、二十三日の二日間、同市緑町ふれあいホームタウン内の特設会場で「SUN サン フェスタ OKI 太陽光発電まつり」を開催、初日は雨となったが期間中百五十組以上の来場者でにぎわった。
会場ではモデルハウス内の一室でセミナーを開催、太陽光発電とオール電化により電気・ガス料金の支払いが実際にどうなるかについてシャープアメニティシステム(株)の担当者が事例を紹介しながら解説した。
紹介していた山口県O邸の場合は導入以前に年間で電気代約二十五万五千円とガス代約十五万八千円の支払い。四・一二kWの太陽光発電とオール電化を導入後は実質電気代約十一万二千円(売電約七万三千円を引いた支払い額)とガス代0円となり、導入前との差額は約三十万円だった。ただしシステムの導入費用は計算外。もっと身近な月額一万八千円の光熱費の家庭が三・一二kWの太陽光発電とオール電化導入の場合、金利三・一五%の十五年ローンを組めば、電気代とローンの支払い合計が月額一万八千円となり、計算上ほぼトントンとなる。
太陽光発電システム設置には国からの補助金がある。二〇〇二年度の場合は一kWシステム当たり十万円だった。ローンを組んでトントンの場合でもオール電化の魅力と環境にやさしい生活が実現できるとあって導入希望者は多く、イベント期間中三十五件もの成約があった。
イベント会場では実際に発電パネルを展示、パソコンに現在の支出金額を入力し、導入による経済効果をシュミレーションするコーナーなどもあった。
同社はシャープの特約店としてこれまでに百二十件以上の太陽発電システム施工実績を誇っている。


岡田硝子が真空ガラス拡販

岡田硝子(有)(尾道市高須町5231、資本金三百万円、岡田堆社長)は、日本板硝子(株)(東京)が開発した世界初の真空ガラス「スペーシア」の拡販を始めた。
この真空ガラスは、昨年、財団法人省エネルギーセンター主催の資源エネルギー庁長官賞、第九回「省エネ大賞」を受賞している。特長は、一枚ガラスに比べて四倍の断熱効果があり、冬季での結露を防ぐ坊露、省エネ効果がある。
取り替え工事は簡単で、サッシはそのままガラスを替えるだけで澄む。
厚さ六mmで、中心に〇・二mmの真空層があり、熱の伝導と対流を防ぎ高断熱特殊金属膜で放射を防ぐ高性能の窓ガラス。価格は普通の板ガラスに比べ約十倍。見積もりや問い合わせが増えている。また、防犯ガラスの「セキュオ」は、普通ガラスの約五倍の価格で取り替えができる。
同社は、昭和三十七年創業、四十六年九月会社設立のガラス、アルミサッシの販売、施工業者。問い合わせTEL(0848)46・3523
真空ガラスを開発した日本板硝子は住友系の板ガラス業界二位、年間売上高千七百億円規模。


IRプランニングが「援JOY」

Iネット関連事業、古本・中古CD販売店経営などのIRプランニング(株)(三原市宮浦5-2-39、資本金一千円、内義浩社長、TEL0848・64・3366)はこのほど、募金サイトと商品直販サイトを融合した「援JOY(エンジョイ)」を本格オープン、商品を出品する業者を募集している。
開設した「援JOY」(アドレス=http://www.en-joy.ne.jp/)は、購入者(消費者)、出品者、ボランティア団体、IRプランニングの四者で構成されるサイト。消費者が掲載商品を購入する際に画面上に現れる募金先を選択、出品者の商品売り上げの三%が募金としてボランティア団体へ寄付される。選択しない場合は登録しているボランティア団体(二月二十四日現在で十団体)に均等割で配分する。また、バナー広告掲載手数料からも寄付が行われる。
出品者は、サイト運営費として売り上げの内二%をIRプランニングに支払う。出品費用や管理費用は無料。募金の際、購入者とボランティア団体には負担がなく、出品者、購入者ともに気軽に「社会貢献」でき満足感を得る事ができるのが特徴。ビジネスモデル特許出願中。
掲載商品のカテゴリーはグルメ、ファッション、生活・インテリア・美容・健康・福祉など日用品から全国産直品、ボランティア団体の手作り品などで構成される。商品紹介画面は、数点の商品写真と商品コメント、出品者名、住所、電話・FAX番号、責任者名、PRポイントなどを表示。商品の金額とその内の募金額も表示されることから「募金者」としての意識も高まる。
購入者に対し出品者は「募金協力者」として認識されることで社会的なイメージが高まる効果がある。またIRプランニングでも、募金協力者を明示するプレートなどを実店舗に掲げてPRできるよう、リアルな媒体の製作、配布も検討している。
同サイトに出品者として登録すれば、ホームページ上から商品を追加できるシステムで、自社HPを持たなくてもIネットに接続されたパソコンがあれば出品できる。一出品者あたりの出品数は無制限。現在百十アイテムの出品がある。今後、商品を製作してもなかなか販路を拡大できない、地方の作業所など福祉施設の商品取扱を拡大していく考え。初年度三千アイテムの登録が目標で、将来的に月商三億円、月九百万円の募金を目指す。
募金による援助の喜び(JOY)、買い物により楽しみ(ENJOY)ながら募金できるシステムからサイト名を「援JOY」とした。
同社の内義浩社長は「個別に募金を募りボランティアに充当するスタイルには限界がある。日常の商品の購入という気張らない行動に募金を埋め込んだ援JOYで、出品者の売上、購入者の募金、ボランティア団体の活動それぞれが満足できるビジネスを展開したい」と話している。現在、社会貢献を目的とする趣旨でNPO法人立ち上げを準備している。


フルブルが「しずく型」筆記具開発

オリジナルゴルフ用品開発、販売などの(有)フルブル(府中市中市府中町142、資本金三百万円、竹岡規行社長、TEL0847・41・7776)はこのほど、鉛筆やボールペンなどの断面が「しずく型」になる筆記具を試作、商品化を希望する企業との具体的な交渉が始まった。
同社が試作した「しずく型」ボールペンは、握る軸部分の断面が「しずく型」になるよう木片を加工し貼り付けたもの。軸がしずく型のため、握る際に鋭角の部分が人差し指と親指の間になるか、中指と親指の間になるかのいずれかしかないため、握り位置が決まり持ちやすいうえに転がりにくいという特徴も持つ。
また販促物として社名や商品名を印刷する場合、平面部分の印刷幅が七mm前後と広くなり表面積が大きくなるため、より大きな字やロゴの印刷が可能。握りの角度も決まるため、握っている人の方に向く面も平面の二面に限られるうえ、卓上に置く場合も同様に二面に限られることから、より大きなPR効果が期待できるとしている。軸が丸、六角形のほかにも三角形や四角形の筆記具はあるが「しずく型」のものはなく、「液滴形の筆記具」として意匠登録も申請中。
同社の竹岡規行社長は「涙を連想させるしずく型のデザインが持つ優しさ、癒し効果が時代の流れにもマッチする」と商品化への期待を話す。既にメーカーに試作品を送付、国内大手文房具メーカーの関係者と商品化に向けて商談を進めている。




こぼれ話  2003年3月1日号

無風下に主婦の囁き 島では合併前に疾風

尾道市議会と市長選挙の立候補予定者説明会が二月二十三日に開かれ、四月二十七日予定の地方選挙が現実味を帯びてきた。市議選は二十六議席に三十一候補(うち現役二十二人、元一人、新人八人)となる混戦見込み。市長選にはかねてからの予想通り現職の亀田良一氏(76)だけが説明を受け、二期連続無投票の公算が強まっている。
亀田市政の実績は多くの市民が認めるところで、選挙になっても対立候補に勝ち目はないという見方が大勢。この八年間は年齢を感じさせない精力的な仕事ぶりを発揮。駅前再開発、しまなみ海道開通に関連する取り組み、ゴミの最終処分場、尾道大学の四年制化など困難な課題を見事に片付け、ここ数年で一大課題となった合併も向島、御調両町と法定合併協議会設置の一市二町の各議会決議を得るところまで漕ぎ着けた。
しかしながら市民の洗礼を受けない無投票に一定の批判があるのも事実で、後継者へのバトンタッチを選挙公約として受け止めていた不満もくすぶる。支援者は「合併などリーダーの継続性が問われる課題が目前に控え、亀田さんしかいない」と必然性を強調している。
選挙運動には関わらない若い主婦層にもそれなりの不満はある。全国から注目される教育改革も進む尾道だが、「子どもたちを伸び伸びと育てられるまち」といったお題目や理想とは少し違う現実的で切実な課題だ。例えば夫婦で働きながら実家の世話にもならず、子どもを育てられるといった仕組みもその一つ。
福山と比べても尾道の学童保育などは劣っている。理想的な子育てはおじいちゃん、おばあちゃんも参加する大家族や家事専業家庭での子育てだから、核家族化を防ぐ努力も必要と思えるが、尾道市でも人口は減少しつつ、世帯数は増えるという核家族化が顕著で、理想と現実のギャップは不況が後押しするまでもなく深まっている。このあたりへの目配りも怠ることがなければ、無風も繁栄の兆しとなるだろう。
一方、任期途中の平成十七年二月に尾道市と合併する予定の向島町の町長選は無風から一転、激しい選挙戦に突入する。何かと町長と対立していた新田賢慈同町議会議長(54)が無所属で立候補を表明、二月二十三日に後援会事務所を開設した。
新田氏は合併には賛成の意向を表明、しかし合併によるデメリットの検証、合併条件への尾道大橋無料化組み入れなどを掲げている。新田氏は誠之館高校卒。昭和五十四年四月に初当選以来、六期二十四年間の議員。平成十一年から議長を務める。
すでに出馬表明していた現職の杉原孝一郎町長(60)も同日、後援会事務所を開設した。杉原氏は前回の平成十一年の選挙で初当選。尾道市との合併、EM菌による環境浄化や合併浄化槽設置整備などを進め、地域自治の拠点として尾道自動車学校跡への新向島中央公民館建設を目指す。
住民自治が問われる時代に論戦は民主主義の原点。まちづくりの議論が深まることに期待したいが、東西で二分されていた向島が合併で一つになる直前、選挙後は遺恨を残さないノーサイドと願いたい。(J)

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