びんごトピックス  2003年4月1日号 
 
表紙写真


冷凍食品製造の「都吹」が県営久井工業団地内に新工場

冷凍食品製造で事業を拡大している都吹(株)(世羅郡甲山町川尻636-1、資本金一千万円、信川誠社長)は、御調郡久井町下津字大向山1126-39、県営久井工業団地内に建設していた久井工場が完成し、四月二十一日から本格稼働を始める。
三月二十九日に施工業者から引き渡しを受け、機械設備の導入やテスト運転などを行い、四月二十一日から操業を始める。新工場は同所の土地一万二千二十六平方mに、鉄骨造り一部二階建て、延べ面積三千三百二平方mの工場建屋を建設した。一階が冷凍食品製造の工場スペース、二階には現在の甲山工場から本社機能を全面移転して実質的な本社事務所となる。他に新製品開発や新素材等の開発研究室、品質管理室も設けて、新製品開発を加速させる一方、品質向上などハサップ対応工場を目指している。
甲山工場は約三千万円をかけて改修工事を行い、今川焼の専門工場に特化する。現在の生産量百六十万個から一挙に一千万個体制に引き上げる。これは大手冷食メーカーが都吹商品の評価を高め、今川焼製造を全面的に発注することになったもの。今川焼製造以外の製造施設は取り壊され、専門工場として製造を継続する。
新しい久井工場は、主力商品で全製造量の40%を占めるヒット商品野菜入り冷凍豆腐、鳥キモしぐれ煮(20%)、鳥の唐揚げ(20%)、ハンバーグ、春巻き、さつま揚げ等約四十種類を製造する。また、多品種小ロットの受注にも即納体制を構築する。同社の主な納入先は、加工食品大手の上場企業(株)ニチロ(東京都)、小売り用たれ等の調味料メーカー日本食研(株)(今治市)、食品大手の昭和産業(株)(東京都)、冷凍食品専業大手の(株)加ト吉(香川県観音寺市)子会社、ケ―エス冷凍食品(株)等に販売ルートを確立している。商品はこれら優良企業の相手先ブランド(OME)の納品が主力となっているが、久井工場完成を機にスーパー向け自社ブランド商品を含めた直売体制の構築を推進するとしており五年後には現在の年商十一億円規模から十五億円に引き上げ、利益率向上を図る。従業員も新卒者七人を採用し六十三人に増員して久井工場四十人、甲山工場二十人を配置する。
新工場は山陽自動車道三原久井IC、国道四八六号にも近く甲山工場に比べて大型トラックの通行が可能となるなど流通コストの低減など利便性も高まる。久井工場の設計は(有)建築工房、工事の元請は大和ハウス工業(株)、施工は三島産業(株)が担当した。総事業費は土地代も含めて約八億七千万円の見込み。
同社は、昭和五十九年二月創業、自社開発商品のヒットで着実に市場でのシェアを拡大している。
久井工場の立地した久井工業団地には、(株)友和の配送センター、県清掃事業協同組合のリサイクルセンター、舗装材のシンレキ工業(株)、冷凍機関係の(株)ソーゴが立地して操業しており都吹は五番目の立地となる。


三平商事が「ガーデンテーリング祭」を初企画

造園、エクステリア設計施工などの三平商事(有)(三原市皆実1-14-11、資本金九百万円、林大作社長、TEL0848・63・1301)は五月十一日に三原市内の個人住宅やレストランの庭を見学して回る「第一回ガーデンテーリング祭」を実施するにあたり、庭の出展者と当日の参加者を募集している。
「ガーデンテーリング」とは、同社がこれまで実施してきた、施工した庭の展示イベント「オープンガーデン」とオリエンテーリングを組み合わせたもの。より多くの市民がガーデンやエクステリアに関する情報交換で交流し、知識や技術を向上させることで、庭づくりへの意識を高めてもらい、三原を美しく活気ある街にするのが狙い。
集合場所は三平商事で、午前九時から受け付けを開始、参加者は出展者の場所がマークされた地図を受け取り、同九時十五分から五分以上の間隔を空けて各自の車で出発する。約一時間半〜三時間の所要時間で見学後、同社に帰ってくる。参加は無料、希望者は事前の申し込みで時間の予約が必要。車一台を一組とし、約五十組、百人程度の参加を見込んでいる。自動二輪車や自転車での参加も可。雨天も実施する。
現在庭の出展希望者は同社施工の庭を含む八軒がエントリーしており、あと数件を募集中。三原市内が条件だが施工元は問わない。出展希望者、参加希望者の応募締め切りはそれぞれ五月九日、十日まで。造園の施工過程などを紹介する同社ホームページ「楽住楽庭通信」(アドレス=http://www.tako.ne.jp/~sanpei/)でも告知している。
またガーデン、エクステリア、リフォームの無料相談会や、苗木、花、レンガなどの特売も同時に実施、見学終了後には参加者全員にガーデングッズや花などのプレゼントもある。同社の林大作社長は「三原の庭文化をレベルアップさせるための企画。たくさんのご参加をお待ちしています」と話している。



天満屋福山店でC・F・Bが新作品発表展示会

県東部の繊維関連業者で組織しているファッション創作グループ「C・F・B」(苗代次郎会長)は、天満屋福山店の協力で、三月十一日から十六日まで、同店六階のエスカレーターサイドを会場に新作発表会「こだわりのある人へ、『C・F・B』11社からのご提案」を開催した。
出品したのはシニア向け二タックトラウザーズ、スポーツジャケット、ランチコート、レディースパンツ、レディーススカート、ショール等二十五点のほかメンバー企業商品約四十点が展示された。
今回の展示会は、国、県、市町の補助事業、平成十四年度新商品開発能力育成事業で、備後地域地場産業振興センター、県東部工業技術センター、県中小企業団体中央会が支援した。
「天然素材の研究による地域ブランド商品の開発」がテーマで、海外生産品の急増する中で、輸入品との差別化、付加価値商品開発が不可欠として、天然素材を使って高齢者を対象に新技術や新しいデザインコンセプトにより、備後地域発信のブランド商品を開発し、生き残りをかける。
主な作品としては、袴をイメージした動きの楽なデニムパンツと作務衣風の上着、シルクタッチな高級綿を使い、日本の伝統柄を織り上げ、インディゴで重ね染めしたレディース上下、パリコレでも注目された刺繍を施したジーンズなど各社の自信作が揃っていた。
C・F・Bでは、地場特産のデニムを中心とした素材に、各社の持つノウハウを結集し、ファッション感覚の優れた団塊世代に向けて創作した作品だとしている。
メンバー企業は次のとおり。
▼(株)美希刺繍工芸(福山市駅家町万能倉373-40、苗代次郎)▼マチモト(株)(同市芦田町下有地307、町本義孝)▼西根ニット(小田郡矢掛町西川面200-4、西根秀一)▼(有)中村金襴工場(深安郡神辺町川北1294-1、中村幸弘)▼梶井(株)(同町字西中条2222-1、梶井孝行)▼フジイプロセス(有)(同町新徳田1-51、藤井基晶)▼藤井製帽(株)(尾道市美ノ郷町三成2638、垣根良昭)▼(有)エフ・メイク(福山市木之庄1-8-8、藤原和彦)▼(有)タグチ(深安郡神辺町下御領1272-7、田口隆章)▼向島紡績(株)(御調郡向島町539、山白政治郎)▼菅原織物(株)(福山市駅家町大字上山守194、菅原秀隆)


オガワエコノスが紙・木・廃プラなどのRPF工場

産業廃棄物処理、再生などの(株)オガワエコノス(府中市高木町502-10、資本金一千万円、小川勲社長、TEL0847・45・2998)はこのほど、同市鵜飼町800-113、鵜飼工業団地内に紙、木、廃プラスチックを固形燃料に再生する工場を建設、本格稼働を始めた。
自治体などが再生事業に取り組むRDF(ごみ固形化燃料)は、家庭ごみに塵芥ごみや不燃物、塩化ビニールなど異物も混入しており含水率も高いなど燃料化に向かない面もある。それに対して、排出元が受け入れ先の基準にかなうように「紙・木・廃プラスチック」と分別を進めた廃棄物で再生した燃料がRPF。「Refuse Paper & Plastic Fuel」の略称で、異物の混入が少なく含水率も低いので、RDFに比べ二倍以上の発熱カロリーを持つ燃料に再生できるのが特徴。微粉炭や重油など化石燃料の代替燃料として利用できる。
オガワエコノスは同団地内に取得した敷地四千八百四十一平方mに、延べ床面積千二百六十平方mの工場を建設、投資額は約四億円。県東部の事業所などから受け入れた紙くず、木くず、プラスチックから異物を取り除き、三軸からなる破砕機で破砕、直径3.5 cm、長さ7〜10cmの棒状に成形する。処理能力は25t/日。当初は愛媛県の大王製紙にボイラー燃料として出荷、初年度売上高は七千五百万円を見込む。
福山、尾道、岡山県内などの大手企業からの廃棄物回収依頼の引き合いが増加、排出者責任の考え方の浸透を感じているという小川勲社長は「ISO14001の認証も取得している当社との取引を、環境を考える企業のステータスと感じてもらえる体制作りが順調に進んでいる。廃棄物処理というサービス業から燃料を製造する製造業へとシフトしていきたい」と話している。
なお同社のRPF事業は環境調和型のまちづくりを目指し県が進めている「びんごエコタウン実行計画」の事業。県内では初のRPF製造施設となる。



こぼれ話  2003年4月1日号

古都の土堂小に熱血先生 同志の校長と教諭に期待

ちらほらと桜が咲き始めた。全国的に「読み書き計算」で知られる陰山英男さんが校長に就任する土堂小学校に新しく五人の教諭が転入するという知らせに、春の訪れにも似たわくわくする気持ちになった。
高須小の事件後でもあり、陰山校長という目玉人事よりもやる気のある先生が集まる学校かどうか、それが直接的に子どもへ伝わるかどうかのカギと強く感じていたところだった。県教委は土堂小での校長公募の後、いっしょにやりたい先生を県内から広く募集、先生のやる気に注目が集まっていた。
結果、土堂小勤務を希望した教諭は十六人。その中から四人の願いがかなえられる形となった。人事の詳細は公表されていないが、端の目からはやる気いっぱいの熱血先生四人が土堂小に投入されたことになる。教諭五人が転入した土堂小からは二人の教諭が昇任など定期異動で転出、実質三人が増員された。今年から学区を越え、市内どこからでも通学が可能となった土堂小は児童数が急増しており、教諭の増員はいわば当然、校長とのスクラムという意味で質が問われていた。
第一の当事者は師の言葉をなんでも吸収するピカピカの小学生。そこから的を外すことなく、読み書き計算に勤しむ環境が整えば、しっかりと根をはり、枝いっぱいに花を咲かせる春が訪れるに違いない。

高須小学校問題について 引き続きご意見を募集中

当紙では前号に引き続き高須小学校問題に関する皆さまのご意見を公募いたします。慎重を要する情報も寄せられており、今号に予定していた特集は次号に順延いたします。
尾道市教育委員会は高須小学校の慶徳和宏校長の自殺事件の原因解明のため三月二十四日、山ア市教育長を委員長とする尾道市立高須小学校問題調査委員会を設置しました。
調査は県教委と連絡を取り合いながら進められ、五月十日ごろに報告書がまとめられるとのこと。この調査結果にも注目していきます。
以下、多数いただいた中から二件のご意見(一部)をご紹介します。
■「学校で自殺する」という表現でしか、世間に訴える方法は無かったのだろうか?それ以外に一つもアイデアが無かったのだとしたら、そのこと自体、能力が無かった証拠ではないか…などと思うのは非情でしょうか?亡くなったご本人が具体的に何か書き残されたわけではないというなら、余計、問題提起だけしておいて後のことを人任せにする無責任さ、残された人が引き受けなければならない重荷の大きさに、憤りを感じます。
■保護者にも地域の人にも学校で今、何がどのように行われているかが善く分かり、問題があればその対応がとれるシステムと人材が必要と思います。人に知られたらまずい事を学校の中でする事自体、不健全、非常識、極まりない事です。そのような事ができない装置が必要だと思います。 (J)

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