びんごトピックス  2003年5月10日号 
 
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IDiが不動産検索のポータルサイト開設

Iネットを利用したシステム開発の(株)インターネット開発研究所(福山市春日町1-2-53青盛ビル3階、資本金千三百万円、井上一成社長、TEL084・940・6735)は、不動産情報を検索できる各都道府県ごとのポータルサイト「おうちネット@地域」を起ち上げる。
今月二十日に第一弾として「おうちネット@広島」を公開する。加盟業者は県内約三十社で、賃貸、売り物件などを合わせた登録物件数は五千件でスタート。物件希望者は、トップページで市、郡など物件の所在地と希望予算、間取りなどを選択して検索し、画像、地図が付いた物件紹介画面で詳細を確認、気に入った物件のエントリーフォームから問い合わせる。写真は一物件に付き八枚まで掲載可能。加盟業者紹介や、加盟業者独自のサイトに飛ぶランダム表示のバナー広告もある。
IDiが開発、理研産業(広島市)が県内の総販売元として販売を進める不動産検索システム「おうちネット・ビルダー」(「インターネットの不動産屋さん」を改称)を導入している業者が自動的に加盟でき、独自のサイトと地域ポータルの両方から消費者を呼び込めるメリットがある。利用料金は月額一万五千円、顧客管理システムと合わせれば同二万七千円程度。県内業者への導入が加速していることから、年内に百社、五万件以上の物件が登録されると見ている。
周辺部の不動産情報も充実した「地域密着型」ポータルサイトとして各都道府県ごとに特約店を募集するFCで展開。約二十社の加盟店が集まった時点で起ち上げる。準備が進んでいる岡山、大阪が共に六月下旬から七月にかけオープンする予定。井上一成社長は「川上でなく川下から構築していくポータルサイト。スタート時から登録物件数が多く、実用性が高い」と自信を話す。専用サイト「ASPスタジオ」(アドレス=http://re.aspstudio.net/home/)でも紹介している。
同社は中小企業向けにIネットを利用した営業支援システムやウェブショップシステムなどを低価格で提供するASP業者。五月二十一日〜二十四日までインテックス大阪で開かれる「ビジネス&テクノロジーフェア」にも出展、システムをPRするほか、井上社長が「営業管理のIT化」と題し講演を行う。


丸善製薬がゴマペプチド配合の健康食品

丸善製薬(株)(尾道市向東町14703-10、資本金一億二千五百万円、日暮彰文社長)は五月一日、世界で唯一量産を始めたゴマペプチドを主成分とした健康食品「やすらぎ発見ゴマペプチド」を発売した。
ゴマペプチドはゴマのタンパク質から取り出した植物由来のペプチドで、動物由来のペプチドより高い血圧上昇抑制作用を持つとして注目を集めている成分。植物由来のため香りの面でも食べやすく、高血圧予防に期待も大きい。※ペプチドはアミノ酸が結合したタンパク質が細切れになった状態。
発売した「やすらぎ発見ゴマペプチド」は一袋百五十粒入りで三千八百円(約一カ月分)。一日の目安となる五粒中にはゴマペプチド千mgを配合、フラボノイドを豊富に含んだ黄杞茶エキスと玄米胚芽に含まれるGABA(γ―アミノ酪酸)もそれぞれ五十mgずつ配合、さらに体内脂質の酸化を防ぐビタミンEを一日に必要とされる相当量配合した。
同社では六月末まで「やすらぎ発見ゴマペプチド」の発売記念特価キャンペーンを実施予定で、一袋三千三百円で販売中。また無料サンプルも送付する。フリーダイヤル0120・808・010で受け付け。
同社は医薬、食品、化粧品製造業者向けに天然素材から見出した有用成分を抽出する技術の世界トップメーカー。「健康探検団」ブランドで健康食品を商品化しており、「やすらぎ発見ゴマペプチド」はそのシリーズ商品。ほかに肝臓の健康維持に役立つ「カキウコンスーパー」、血液のさらさら維持に役立つ「さらさら発見梅・田七」などがある。



朝日不動産が将棋サロン併設の喫茶店

合名会社朝日不動産(福山市延広町8-17朝日ビル2階、資本金五千万円、和泉隆博代表社員)は四月十六日、同所に将棋サロンを併設した喫茶店「cafe Xsell(カフェ エクセル)」(TEL084・973・0137)をオープンした。
同社は尾道市西御所町が本社だった朝日機械工具が母体で、平成十三年に不動産部門の関連会社を存続会社として母体を吸収合併(機械工具部門は新たに別会社(有)アサヒ機械工業として経営)した。尾道駅周辺にビルや駐車場を賃貸不動産として持ち、最近は東尾道に広めの間取りのワンルームアパート「エクセル東尾道」(二棟八世帯)も建設した。
このほどオープンした「カフェ エクセル」は昭和四十年に福山市の現本社地に朝日ビルを建設、テナントビルとして賃借していたが、空きビルとなったため、大幅リニューアルして開店させたもの。工事は外装が(株)辻建設(尾道)、内装は(株)美芸企画(福山)の施工。一階には飲食店「酒の穴エリーゼ」がテナント入店、二階を直営の喫茶店とした。
喫茶は本格的な珈琲(ブレンド三百三十円)の味わいと軽食(カレーライス三百八十円)を提供、二十六席ある。午前十三十分から営業(日曜日休み)。
将棋サロンは喫茶奥の明るい窓側に十九席。午後〇時から同十時(第三日曜日休み)まで席料千二百円で自由にでき、集まる人と将棋を指したり、パソコンによるネット将棋を楽しめる。オーナーの和泉さんも極力常駐して対戦相手を務める。
和泉さんは同じ東大卒の芸能人らを取材した「赤門紳士録」も仲間と平成七年に自費出版している。趣味の将棋はアマ三段の実力。
備後地域には都会的な明るい将棋サロンがなく、日本将棋連盟発行の雑誌「将棋世界」にも紹介される予定。喫茶、軽食(別料金)と合わせて一日のんびりできる将棋ファン待望のサロン誕生となった。


帝中が多機能の成形ナイロンを販売

成形用ナイロン、肥料など製造販売の帝中(株)(三原市城町1-12-20、資本金一千万円、沖本和弘社長、TEL0848・64・7133)はこのほど、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得、環境対応企業としての方針を明確にした。
同社は帝人(株)など合繊メーカーからの発生品を原料として独自の成形ナイロン「オキロン」を製造、販売するリサイクル事業を展開している。昨年九月にISO14001の認証を取得。認証機関はUKAS(英国)。「地球環境に優しい企業たること」を基本方針とし、「環境保全活動の拡大、ゼロエミッションへの挑戦」「全社員への環境教育の徹底」などを行動指針に、環境対応型企業としての一層の飛躍を誓っている。このほど三原市八幡町垣内九三の八幡工場に認証取得をPRする看板も設置した。
自社開発の成形用ナイロン樹脂「オキロン」は、耐衝撃、耐薬品、耐磨耗性などに優れたナイロン樹脂で、ガラス繊維、ミネラル強化により特に耐熱性に優れるのが特徴。商標登録もしており、コイルボビンやスイッチ類などの電気、電子部品、ベルトカバーやファンなどの自動車、機械部品、アルミサッシュ部品などの建材、家具部品のほか雑貨部品などにも使用されており、用途は多彩。リサイクルの高付加価値製品として定評がある。HP(アドレス=http://www1.ocn.ne.jp/~teichu/)でも紹介している。
同社の沖本和弘社長は「例えば事務部門で考えた場合、コピー紙の裏紙利用も、突き詰めればコピー自体が必要なのかというところまで行き着く。ISOには経営合理化のためのヒントが散りばめられている」とISOが持つ思想の合理性を実感している。
同社は昭和五十三年設立、樹脂、肥料製造販売のほか健康食品の販売なども手掛けており、大阪、東京、札幌に営業所、三原市八幡町に工場がある。従業員二十九人、年商八億円規模。



こぼれ話  2003年5月10日号

高額所得法人数減少の 痛みを支える小粒企業

今号に収録した高額所得法人ランキングの総数は前年に比べ五十社減少の四百五十七社だった。
高額所得法人の総数のピークは平成三年の八百八十五社。今のほぼ二倍で、失われた十年は当地域の企業業績にも色濃く表れている。
なかでも府中市や因島市のように高額所得法人数がピーク時の三分の一以下になった地域があり、いまさらながら驚く。平成三年のランキングを見れば、府中市は家具とアパレル関係の製造業、因島市では海運、造船関連の企業が目に付く。
では企業数はどんどん減少しているのか、と言えばそうでもない。県東部の法人数は平成十一年が最多の一万九千四百十六社。高額法人がピークだった三年は一万七千三百九十一社、間近の十四年は一万八千八百六十六社。平成十一年まで増加の一途にあり、ここ十年ほどの変動は一割ほどに過ぎなかった。
失われた十年と言われるが、中国製品を積極的に自社製品へ組み込んだ勝ち組企業が高額所得とともにシェア拡大を果たした反面、個人事業に近い、小粒の企業が地域経済を支えてきた十年間とも言える。
小粒企業の実態は二種。法を遵守した労務では国際競争に勝てず、残業、休日お構いなしの経営者労働で支えているケース。もう一つは純粋なベンチャー企業。痛みの後は実りの十年と願いたい。(J)


  
問われる真価 「正念場」のJC

日本青年会議所は四月二十四日、全国のJC(青年会議所)五万四千会員に対しホームページなどで「JCがこれほどまでに注目された時代はない。信念と自覚、責任ある行動で、誇りを失うことなく頑張ろう」と訴えた。愛知県新城市で起きた誘拐殺人事件の報道により、JCはイメージ悪化を余儀なくされた。この現状を「正念場」と捉え、踏ん張ろうと呼びかけた。
JCは「明るく豊かな社会実現」を理想とし東京都で設立され今年で五十四年目。「モノ」による貢献よりも、まちを輝かせる「カツドウ」による貢献を目指してきたためか、その歴史の長さの比べ、具体像を思い浮かべられる市民はこれまでそう多くはなかった。
事件が新聞を賑わして数週間。「JC」を見出しに使った報道が個人の犯罪とJC会員の資質をダブらせ、悪いJC評を後押したことは否めない。しかし地域社会の発展を願い、手弁当で集まった会員のほとんどが、その地の伝統的な祭りあるいは新しいイベントを裏方として支えてきたのも事実。その社会貢献度は計り知れない。今後は、本当の意味で「裏方」と「参加者」が乖離せず、一体となってまちを盛り上げていけるかどうかにJCの存在意義と、地域内での信頼アップがかかる。
当地域でもJCが関与する行事が続く季節となる。尾道みなと祭、福山ばら祭、府中ドレミファフェスティバル、三原やっさ祭…JCなくして語れないまちの輝きばかり。会員拡大の成否と合わせ、新たな飛躍のスタート台に立つことができるか、こうした行事がまさに真価を問われる正念場だ。(N)

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