びんごトピックス  2003年9月10日号 
 
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三原地域産業活性化推進会議を開催

県内の製造業などの活性化を目指して平成十一年に、広島市を除く十二市で立ち上げている地域産業活性化推進会議は、それぞれ年一、二回のペースで開かれている。九月二日には、三原市城町、三原国際ホテルで平成十五年度の三原地域産業活性化推進会議が開かれ、市内の二十一事業所から代表者のほか、県や県立大学、市の関係者、商工会議所などから約五十人が出席した。
午後三時に開会され、三原市長、県商工労働部立地対策審議官の挨拶の後、議事に入り、県商工労働部の重点施策の概要や構造改革特区制度、ものづくり広島リノベーション事業の成果などが報告された。
産学官連携とTLOで県立保健福祉大学の前田祐司教授、広島大学の産学連携の取り組みで同大学の山口佳和教授がそれぞれ説明した。
企業側からは規制緩和、産業支援施策などに対する意見や要望が出された。当日出席した市内の事業所は次の通り。
▼イネオスケミカル(株)三原製造所(鈴木利助所長)、▼上田鉄工(株)(上田隆治代表取締役)、▼(株)ガルバ興業三原工場(菊川美仁常務取締役)、▼幸陽船渠(株)(桧垣俊幸代表取締役社長)、▼山陽建設(株)(寺岡良晃総務統括局長)、▼シャープ(株)電子部品事業本部三原生産事業部(長尾久夫事業部長)、▼ソシオダイヤシステムズ(株)(木村文秀社長)、▼大日本印刷プレシジョンデバイス(株)三原工場(永野義昭常務取締役工場長)、▼中国電力(株)三原営業所(野島淳一所長)、▼帝人(株)三原事業所(御勢健二事業所長)、▼トスコ(株)三原工場(野田猛工場長)、▼とりごえ食品(株)(鳥越良和代表取締役)、▼西川ゴム工業(株)三原工場(村上長司工場長)、▼広島ガス(株)備後工場(森川修工場長)、▼富士金属工業(株)(大目木康行代表取締役)、▼三菱重工業(株)紙・印刷機械事業部(木山信雄取締役事業部長)、▼三菱重工業(株)機械事業本部プラント・交通システム事業センター(冨山史雄取締役所長)、▼三原菱重機工(株)(木山繁昭取締役社長)、▼(株)共立機械製作所(池内義治代表取締役)、▼(株)やまみ三原工場(山名清代表取締役)、▼(株)有斐園(福島偉人代表取締役)


ブレインズのボブ石井さんが販売支援

ラジオパーソナリティーやナレーターなどで活動する(株)ブレインズ(福山市引野町5-27-13、資本金一千万円、TEL084・943・1616)の「ボブ石井」こと石井克典社長は、国内外の大会やなどさまざまなイベントで培った幅広い人脈や経験を生かし、地元のサービス業者らを対象とした販促企画に必要なグループを構築し支援する「ビジネスコーディネーター」としての活動を本格化している。
石井社長はこれまで、ハワイ州ホノルル市でのイベントMCや現地テレビ、ラジオなどメディアでの活動、日英両語FM放送局の開局準備室営業部長などを経て帰国、昨年六月に(株)ブレインズを設立。国内外で広げた産、学、官の人脈を活用しながら、キャンペーンやコンベンションなどのイベント企画をコーディネートしてきた。「ゼロの状態から新しい企画を起ち上げる」(石井社長)活動を経験する中で、イベント来場者やラジオリスナーの満足度を高めることと、事業者による顧客満足に共通のプロセスがあることを発見、地元での販促企画、支援事業も開始した。
中小企業、小売店などを中心とした新規事業起ち上げや販促支援などに必要なビジネスグループを構築し多方面から支援する、実践的なコンサルティング業務が主。特に小売、サービス業での販促支援では、新規顧客開拓、顧客のファン化、顧客との関係強化の三段階で売上拡大と顧客満足向上を狙う手法を、顧問先と共同で探りながら実践していく。
現在、福山や岡山のレストランやお茶・コーヒー小売り、宝石店、菓子店などの販促支援を担当。顧客別来店頻度・売上高など購買履歴を軸とした分析、その分析をもとにした効果的なDM配布先の選択などを一貫してできる顧客管理ソフト「ブレインズRFMマスター」の導入と運営指導を行う。
これは同社長が効果的な販促戦略の一つとして取り入れている、顧客の直近購買日(Recency)と累積購買回数(Frequency)、累積購買金額(Monetary)を軸としたデータベースマーケティングを実践するソフトで、導入と運営指導料合わせて十八万円。同ソフトはデータベースソフト開発などの「石井食品@デジタル」(福山市引野町、石井栄司代表)と共同で開発した。
ブレインズの石井社長は「例えば小売店舗の販促企画なら、まず口コミでの販売拡大を前提として、五十人のロイヤルカスタマー作りから一緒に汗を流します」と話している。なお販促のヒントをまとめた小冊子を配布中。希望者には無料で配布する。問い合わせは同社まで。


KECがサーバーの遠隔リセット装置

待機中の消費電力をカットする装置「節電虫」を開発したケイ・イー・シー(尾道市美ノ郷町三成1998-2KECビル2階、釜本二代表、TEL0848・48・3241)は九月一日、モデム、ルーター、サーバーなどの電子機器を電話回線によって遠隔地からリセットできる装置「どこでも・リセット」を開発した。
同装置は「節電虫」とリセット装置で構成、電話がかかってきた信号を「節電虫」でキャッチ、リセット装置に伝えて一時的に電源をオフにする。モデム、ルーター、サーバーなどは何らかの原因で突然正常に機能しなくなる場合があり、電源オフによるリセットが有効な修復手段になる。「どこでも・リセット」はこうしたリセットを遠隔地で操作できるようにした。
リセット装置は幅八十五ミリ、奥行き百四十ミリ、高さ七十八ミリで重量七百十グラム。別に節電虫が付属する。販売は受注生産で一台からでも注文に応じる。価格は電気容量に応じて一万九千〜二万九千八百円(節電虫を含む)。


中国パール化成が「シーピー化成」に社名変更

簡易食品容器など製造の大手、中国パール化成(株)(井原市東江原町1516、資本金九千六百万円、三宅勉社長)は、今年で創業四十周年を迎えたのを機に九月一日から社名を「シーピー化成(株)」に変更した。
新社名は旧社名の中国とパールの英語の頭文字のCとPを取って組み合わせた。同社では「新しい世紀の創造型容器を目指す」を経営理念に掲げ、大きく飛躍すべく、新しいスタートを切った、としている。
同社は、昭和三十八年八月、井原市井原町でPSP食品容器の製造販売を創業したのが始まりで、市内東江原町に工場を開設、四十六年九月中国パール化成(株)を設立して法人成りした。その後、工場増設や営業所を全国展開して業容を拡大した。平成三年に関東物流センター、四年には神辺工場、木之子物流センター、北海道物流センターを相次いで新設製販両面で拡充を図った。平成十一年にISO9002、十四年にはISO9001の認証を取得した。昨年十一月には福島県泉崎村に関東工場の運営会社、シーピー関東(株)を設立するなど業界大手に成長している。
現況はプラスチック簡易食品容器の製造、販売を主に食品包装資材の販売で、平成十五年二月期売上高四百六十四億三千二百万円、申告所得額五十億六千八百八十四万八千円を計上している。
なお、本社前に建設工事を進めている物流倉庫は十月に完成して、年内には稼働を始める予定。建物は鉄骨造り二階建て、延べ床面積四千三百平方m規模となる。
出先は、札幌・金沢・岡山各営業所、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡各支店、関東・北海道・本社・木之子各物流センター、神辺工場、グループにシーピー関東(株)がある。従業員五百五十人。



こぼれ話  2003年9月10日号

いかだ作りで見えてきた 笑顔の輝く地域教育

筆影山と並ぶ三原市のシンボルの一つ、沼田川。今から二十年ほど前にはまだハゼ釣りや土手のツクシ採りなどで歓声をあげる子どもの姿もあった。今、その沼田川沿いの小学校が、近隣の保護者や業者など「地域の人」を巻き込みながら、開かれた教育への可能性を探る授業を行っている。
市立田野浦小学校四年生の総合学習で、地域の大人を「先生」に、共同でいかだを作り、川下りを体験する計画が進む。危険という理由から近くて遠い存在だった沼田川の素顔ともう一度向き合おうとしている。失敗は許されない。それでも子ども達が地域の財産である「人」と触れ合う経験を通し、郷土への思いを新しく抱くきっかけとなるよう、校長の熱意に賛同した多くの協力者が綿密な授業を進めている。蒸し風呂のような体育館の中で、授業時間が過ぎても熱心にいかだ作りについて話し合った主人公たち。川下り当日はきっときらめきを増した笑顔に出会えるだろう。(N)

イメージ選挙と戦う 亀井静香氏への期待

小泉氏の再選濃厚と言われる中、地元六区選出の亀井静香氏が一世一代の意欲で自民党総裁選に挑戦、注目が集まっている。
政治に色を持っている訳ではないが、郷里から総理をといういわば地元びいきから期待したい。ただし棚ぼたを願う金銭的なエゴではなく、地元だからこそ伝わってくる情報の偏りと人情からのひいき。平たく言えば小泉さんより人柄を知るから期待したい。
最近の政治がよくない原因の一つにマスコミ不信がある。人柄をイメージで伝え、イメージのいい人が政治的に有利になる。そんな風潮を利用する人とマスコミが結びつきつつある。これでは本当にいい政治家が生まれるはずもない。
小泉さんの実像を知るよしもないが、以前、内外ニュース尾道懇談会に訪れた清宮龍社長の生の言葉から母親など家族にもクールな小泉さんの一面を知り、マスコミのイメージと実像の違いに驚いたことがある。
逆に、そごうに引導を渡した亀井氏は切るべきものは切るという決断力を示した。公共投資じゃぶじゃぶで灰色のイメージも付きまとう亀井氏だが、問題は無駄な投資を断ち切れない政治であり、公共投資が不要なわけではない。日本はインフラ整備が終わった国では決してない。
国民が本音で願っているのは産業構造のドライな改革ではなく、傲慢な経営者や官僚のリストラ。利権屋がいなくなれば、当然無駄な投資もなくなる。日本的価値をアメリカ流に置き変える改革でもない。
真の改革を実行できるのは、庶民の暮らしを知った上でなす人情味あふれる決断にほかならない。前回のムード選挙と違い、自民党総裁選がどんな理論でどういう人が選ばれる仕組みか、今回の選挙を党員以外の国民こそ注視している。本当にこの国を任せ続ける政策を持ち、自由で民主的な党なのかどうか。自民党総裁イコール総理という構図は既に揺らぎつつある。(J)

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