びんごトピックス  2003年11月20日号 

 表紙写真    


啓文社EPが「ビデオキング奈良津店」開店

書籍販売地場大手の(株)啓文社(尾道市東尾道10-26、資本金五千万円、手塚弘三社長)はこのほど、福山市内のブックシティー店と蔵王店を大幅改装、地域一番店戦略に沿った新しい形態の店舗としてリニューアルオープンした。
啓文社ブックシティー店(奈良津町3-3-3)は書籍販売をやめ、店名を廃止、関連会社の(株)啓文社エンタープライズ(本社同、資本金一千万円、手塚淳三社長)に全面移管してビデオ、CD、DVDのレンタル専門店「ビデオキング奈良津店」(山本英司店長、TEL084・973・8161)としてオープンさせた。売り場面積約六百平方m、レンタルアイテム十万本という同分野で県東部最大規模の店舗とした。
「ビデオキング」はエンタープライズ社が初めて創造した名称。今後、ビデオ、CD、DVDのレンタル専門店の強力なブランドに育てる計画。オープン記念として十一月三十日まで新作を含む店内商品をオール一本百円の破格でレンタルしている。営業は午前九時から翌午前四時まで。無休。
蔵王店(南蔵王町3-8-34、小野峰嗣店長、TEL084・928・1661)はこれまで複合させていたレンタル部門をやめ、書籍とCD、DVD、ゲームソフトの販売のみの店舗に特化、これまでの店名のままリニューアルオープンした。
売り場面積は約九百平方m、うち三百三十平方mをCD、DVDコーナーとして五万枚を揃えたほか、CDのバーコードをセンサーにかざすだけで開封せずに視聴できる装置もカウンター近くに設置した。書籍コーナーは約四百平方mの十五万冊。ゲームソフトコーナー「wanpaku(わんぱく)」は約百七十平方mの三万本を揃え、同業他店を引き離す県東部最大店とした。
同社は書籍販売店としても県東部最大規模の福山ポートプラザ店(売り場面積千六百五十平方m、五十万冊)を持ち、エンタープライズと合わせて書籍販売、ビデオ等レンタル、ゲームソフト販売の三分野で県東部最大規模を誇る。店舗数はFC店を含め十九店で、書籍販売を行わない店舗は今回のビデオキング奈良津店のみ。複合店十八店に含まれる書籍以外の内訳はCD、DVD販売六店、ビデオ等レンタル二店、ゲームソフト販売四店となっている。



ホクト広島きのこセンター起工式

キノコ生産大手のホクト(株)(長野市南堀138-1、資本金五十五億円、水野正幸社長)は、賀茂郡大和町下徳良679-27、県営大和工業団地内の取得地で十一月十日、「ホクト広島きのこセンター」の起工式を行った。
当日は大和町の上川弘治町長、ホクトの加藤義正副社長、施工業者など関係者約三十人が出席し、起工式を行い工事の安全を祈願した。
加藤副社長は「西日本地区での販売を強化し、中国地区初の広島きのこセンターを拠点工場として整備する」と空白地への進出に期待している。ホクト進出を喜ぶ上川弘治町長は「ホクトきのこセンター進出が地域に及ぼす雇用や経済効果は図り知れないものがあり、地域活性化に大いに期待している」と厳しい経済環境の中での大規模工場進出を歓迎する挨拶を述べていた。
広島きのこセンターは、敷地四万二千平方mに、延べ床面積一万八千七百平方mの第一工場、一万四千九百平方mの第二工場を建設、平成十六年四月完成し、五月から一部の施設で操業を始め、八月から九月にかけて出荷を始める予定。従業員二百三十人は地元採用を主に配置する。
第一工場では「ブナシメジ」、第二工場では「エリンギ」を生産し、初年度でブナシメジ千八百t、二年目から三千二百t、エリンギは初年度二千t、二年目から三千tを出荷し、両品目で年間四十六億円を売り上げる。
投資額は土地代三億七千万円、機械設備、建物など合計五十六億円を見込んでいる。
ホクトは、ブナシメジ、エリンギで業界首位のキノコ生産大手で、開発型企業として自前の種菌研究で知られる。平成十五年三月期では売上高三百五十八億九千七百万円、経常利益六十七億五千六百万円、今期は売上高四百億円、経常利益八十五億円を見込む。


創業30周年の尾道ラーメン「東珍康」

尾道ラーメン「東珍康」(尾道市栗原町6023-5、砂村康治代表、TEL0848・23・4537)が十一月二十七日で創業三十周年を向かえる。
東珍康は石油販売会社の社員だった砂村康治さんがラーメンに魅せられ、三十歳で脱サラ、修業後に創業した店舗。美味しいラーメンをつくりたいと研究を重ね、十五年ほど前においしい水と出会い、東珍康流の尾道ラーメンを完成させた。研究熱心で調理師会の役員も永く務めた。
メニューも多彩。ラーメン四百五十円のほか野菜炒めラーメン六百五十円、チャンポンメン七百円などラーメンだけで十種類以上。大衆中華店としてマーボー丼や唐揚げなど一品料理も揃う。最近の人気はフレッシュ生野菜ラーメン六百八十円。瀬戸田町で生産されるルコラ、モネット、レッドマスタードといったやわらかく新鮮なベビーリーフがたっぷりかけられたラーメン。ビタミン、ミネラルも豊富とあって女性の口コミで人気が広がっている。
砂村さんは「開店したころ、この辺は田んぼ。牛小屋もあった。市街地も考えたが、友人の勧めもあって思い切って郊外型にした。数えるほどしか通らなかった車が嘘のよう」と開店当初を振り返る。これからも日々研究で時代にあった究極のラーメンを追い求めるという。
同店では店のラーメンを麺とスープに分け、そのままパックしてクール便で地方発送を行っている。一食四百七十円(五食単位)で別途送料が必要。ラーメン好きな相手に歳暮としても喜ばれている。



「サンタウン伊勢丘」第一工区完売

福山市東部で、旧NKK伊勢丘社宅跡地の再開発事業に着手した、(株)都市環境研究所(福山市幕山台2丁目35-26、資本金一千万円、西村久社長)は、第一工区として造成した四十九区画は完成前に完売する人気で、すでに取得者による住宅の新築工事が相次いでおり、造成地の伊勢丘五丁目バス停道路沿いの住宅団地「サンタウン伊勢丘」は新しい住宅団地として再生し、当時の賑わいが再現するものと期待されている。続いて造成工事が進んでいる第二工区六十七区画も年内には完成するが、順調に販売が進んでおり、来春からは住宅の新築工事が始まるものと見られている。
この再開発事業は、旧NKK伊勢丘社宅跡地三万八千八百平方mを同社が取得し、A街区(一・三四f)、B街区(二・四f)として造成工事に着手したもので、予想を上回る順調な売れ行きを続けている。団地の最多区画面積は四十九坪から五十七坪で、全体の七五%を占める。最多販売価格は一区画千百万円から千三百万円で、全区画の七〇%。
団地の東側にバス通りの幹線道路があり、近くに市東部市民センター、春日池公園、スーパーストア、銀行、コンビニエンスストア、小・中学校、総合病院など利便性に恵まれている。
団地内には市条例による緑化協定第一号として緑化や美観、道路拡幅や舗道の新設などを整備し、給油所、コンビニも新設する計画。また、隣接する遊休社宅跡地についても再開発構想があり、複合型の商業施設が検討されるなど伊勢丘再生に意欲を見せている。
現在の伊勢丘周辺五km圏内には約六万六千人が生活する市東部の中心地区。
同社は、昭和四十八年九月会社設立し、宅地開発や土地区画整理事業の受託などの実績を持つ不動産会社。問い合わせTEL(084)948・0880



こぼれ話  2003年11月20日号

観光客を呼ぶか 写真のまち尾道

フォトコンテスト「写真のまち尾道四季展」が尾道市によって事業化され、この十二月一日から応募受付が始まる。
大賞は三十万円の副賞付き。全国に数ある写真コンテスの中でもビッグな賞金で、作品の選考には尾道出身の写真家で日本写真家協会専務理事も務める松本徳彦氏らが当たる。
尾道といえば「絵のまち」が知られ、小津安二郎監督の「東京物語」や大林宣彦監督作品で知られるように「映画のまち」の顔も併せ持つ。いま「写真のまち」という新しい顔が尾道に加わろうとしている。
写真の楽しみ方は景気を牽引しているほどのデジタルカメラの普及が新しい時代を築き始めている。パソコンを使って簡単に作品を表示、検索も簡単、メールで遠方にリアルタイムの送信もできる。気に入った画像ばかりを選んで自動的に連続閲覧(スライドショー)させることも容易にできる。
近年登場したばかりのカメラ付き携帯電話の普及も目覚しい。写真の精細さも少し前のデジタルカメラに迫っている。その使い方も単なる趣味からビジネスに広がり、現場状況の本社への報告からバーコードのような模様を撮影して情報を取り込むといった使い方まで始まっている。
当社はこのほど、写真のまち尾道の機運盛り上げに一役買おうとCD―ROM版の尾道写真集「下手な写真家の千五百枚の写真集 尾道」を発売した。裏話を明かせば、撮影者の坂井敬樹氏の熱意に負け、仕方なく(今となっては持ちかけていただいた)に近かった。坂井氏はフジ写真フィルムに定年まで勤務、どっぷりと写真業界に身を置いた方で、選考委員の松本氏とも尾道時代の同級生。お二人は相談し合い、写真のまち尾道の大構想を描き出しておられた。おかげさまながら写真集は売れないとの予想(坂井氏に失礼ながら)を覆し、けっこう売れている。新聞報道関係者各位に坂井氏の意を汲み取った報道をしていただき、その影響が大きい。しかし中味はあくまでもデジタル画像だけ、印刷物の写真集ではなかった。閲覧できる人は少数…と赤字も覚悟していた。
今回の写真コンテスでは画像処理加工をしていないものという条件付きながらデジタルプリントの応募も許されている。携帯電話のカメラで撮影した写真を対象にしたコンテストを主催する新聞社もある。写真集発売を機に、いろいろとデジタル画像の現状を調べると、インターネットの中で、パソコンの壁紙や携帯電話の待ち受け画面など、大きな市場が成長しつつある。
竹村真一東北芸術工科大学教授提案によるケイタイ観光ナビシステム「どこでも博物館」が今春から本格稼動を始めた尾道では、カメラ付き携帯電話も含む新しい観光の楽しみ方も提案している。写真のまち尾道は実にタイムリーで将来が楽しみな企画だと知った。もちろん従来のアナログ派の写真がコンテストでは中心。しかし観光客の心をギュッとつかむにはデジタル画像がいい道具になりそうだ。十二月一日からいよいよ応募受付開始。今後の展開に期待したい。(J)

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