びんごトピックス  2004年3月20日号 

表紙写真     


三原スーパーが皆実店改装でレジャー施設進出

三原市内を主に周辺に食品スーパー「パルディ」を展開する且O原スーパー(三原市西町1丁目1-31、資本金六千八百三十七万円、横山泰二社長)は、自社店舗と競合するパルディ皆実店(三原市皆実4丁目19-20)を三月七日で閉店し、近く店舗の改装工事を行いファミリー娯楽施設に転換する。
計画によると全国にFC契約で会員制レジャーパーク「JJCLUB100」を約三十店舗展開している潟lクストジャパン(大阪市西区江之子島1丁目6-5、資本金二億五千三百万円、長江芳実社長)と契約して「JJCLUB100皆実店」を開店する。
店内にはダーツ、トスバッティング、ゲームコーナー、キッズコーナー、ビリヤード、卓球、インターネット、カラオケ、釣り堀、まんがコーナー、サッカーなどのコーナーを設け、利用する人は三百円の入会金を払って会員登録する。受付けで入店時刻を記録し、好みのコーナーを利用して遊び放題、利用料金は十五分間で百円、帰りに利用時間により支払う。営業は二十四時間、年中無休。これまでのゲームセンターは入店は自由で、ゲーム機を利用しないと料金がいらないことによるこどもや若者の溜まり場的な利用はできないシステムを採用し、健全なレジャー施設を構築するのが特長。同社では四月二十日前後のオープンを予定して施設の改装を進め、四月中旬から会員募集を始め、会員数二万人達成を目指す。
現在は正社員とアルバイト三十数人の募集を行っており、年間売上高二億円が目標。
同社は、昭和三十四年、市内ではスーパーの草分けとして創業、市内中心に本郷町、大崎上島、因島、瀬戸田に九店舗、年商八十億円規模。


尾道帆布を素材に彩工房がオープン

尾道帆布を素材にした生活小物を製作、販売する「尾道帆布・彩工房(さいこうぼう)」(尾道市土堂1-6-9、古本朗代表、рO848・24・1744)の拠点ショップが三月六日オープンした。
同工房は尾道帆布を素材に伝統の再生を目指しており、カバン、ポーチ、ケータイストラップ、ネックストラップなど生活小物を最新のデザイン感覚で製作、素材の持つ自然の風合いと耐久性を生かしている。備後地域でオリジナルのカバン、小物などを創作する作家とも連携して新しい商品も開発するスタイルもとっており、備後絣と組み合せた商品や笠岡の人が作った新しい感覚の鍋つかみなども販売している。
オープンしたショップの場所は同工房と姉妹店関係にあるDISC33杉原レコー堂の中二階。パステルカラーのカラフルな商品(メーンは七種類)群が並んでいる。
トートバッグは小四千八百円、大七千八百円。ポーチは二千五百円。持ち手が三つ編みになっているバッグは三千円。内側がカラーで外側はきなり(原色)のバッグが人気。
コルクボードにケータイストラップなどをぶら下げた委託販売用の商品棚の設置場所は福山、尾道市内で喫茶店やホテル、雑貨店など二十カ所近くに増えている。


竹原商工会議所青年部が全国大会グランプリ受賞

竹原商工会議所青年部(岡本達典会長、五十人)は、日本商工会議所・全国商工会議所青年連合会(東京、日本商工会議所内、鈴木悌介会長)が主催する「第三回YEG大賞」に応募していたが、さる二月十三、十四日の二日間開催された全国会長研修会福井会議で、竹原青年部が地域振興活性化事業として取り組んでいる「楽市楽座プロジェクト」が最高位のYEG大賞グランプリを受賞した。
中国地方の青年部では初の受賞で今回は全国から七十九事業が応募しており、第一次審査で十五事業が選ばれ、最終審査でグランプリに輝いた。竹原商工会議所青年部の楽市楽座に対する審査では、重要性、アピール性、成長性、汎用性、新規性の評価基準に基づいて三十六人の審査員により審査され、第二次審査に進んだ。
同青年部は、現在の会員数は五十人、主な事業としては、商店街全体をまるごとフリーマーケットに見立て年一回開く楽市楽座イベントを主に、空き店舗を活用したフリースペースの「ドリーミィカーテン」を昨年五月一号店をオープンさせ、四月に「チャレンジショップ」、七月には「あいふるエコステーション」、今年も二月に「YEGショップ」を相次いでオープンした。昨年の楽市楽座には市内や近隣から一万五千人が訪れ盛況だった。ほかに伝統行事の「ふとん太鼓」への参加や竹原高校の「竹高祭」による交流・連携の輪も広げている。


ヒラタ化学がHPでオーダーメード洗剤提案

業務用洗剤など製造のヒラタ化学梶i福山市本郷町2979、資本金一千万円、平田康智社長、рO84・936・1537)は、開設したホームページ(アドレス=http://www.hirata-chemi.com/)でオーダーメード洗剤の受注を開始、エンドユーザー開拓を強化している。
同社では受注先の環境や用途に合わせた多品種の洗剤を開発してきた技術と、注力している家庭用洗剤の普及を目的に、オーダーメード洗剤を小ロットからエンドユーザーに提供する。汚れの種類や被洗浄物の材質などをメールフォームに記入すれば、それに合った既存の洗剤があれば紹介、既存品がなければ同社がオリジナルの洗剤を提案する。登録した懸賞サイトからの応募者がリピーターとして定着した例もあるという。同社の平田誠治専務取締役は「アンケートによれば、手あれに困っているという答えが多い。ユーザーの悩みを解決するスタイルでBtoB、BtoCともに期待できる市場」と手応えを話している。
同社の家庭用洗剤の主力商品「サンソアルファー」は、活性酸素により漂白、洗浄効果が高い人気の万能洗剤。過炭酸ナトリウムを主成分に、炭酸ソーダと過酸化水素の特殊化合物からなる。リンを含まず、無臭・無公害で、シアン化合物、六価クロム、ヒ素、水銀、カドシウムなどの毒性がなく、多くのファンを獲得。業務用洗剤でも、飲食店や食品加工業者向け洗剤、クリーニング用洗剤、金属表面処理剤など特殊な洗剤を製造、西日本を中心に幅広く取引先を持つ。



こぼれ話  2004年2月10日号

国花「桜」の生命力 まだか地方の開花宣言

今年の桜前線がいよいよ北上を始めた。葉っぱの一枚もなく丸裸だった桜がつぼみを膨らませ、一気に花を咲かせる姿は毎年ながら生命力と美しさの不思議な綾を感じさせる。「桜」は「菊」とともに日本の国花。三月の閣僚会議で「回復を続けている」と報告された日本の景気だが、まだまだつぼみ。設備投資、個人消費のダブル開花を願いたい。
春の陽気に誘われて今年の花見が盛大となれば喜ばしい。そこで花見の話題を少々。桜と言えば、二、三百種類の中でも「ソメイヨシノ」が特に有名だが、実はこのソメイヨシノは雑種。「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の交配種。江戸時代末期から明治にかけて東京は染井村の植木屋が広めたという。そして意外なことに桜は「薔薇科」。
それでは桜は新しい日本の花かと思えば、さにあらず。日本古来の品種であり、歴史は古い。しかし万葉の時代は桜より中国からやってきた梅がもてはやされた。花とは梅を指し、花見も梅の花を見る宴だった。
桜の起源は西岡秀雄慶応義塾大学名誉教授の著書「酒と桜の民族」に詳しい。「サクラ」は「サ」と「クラ」に分けられ、「サ」は古代日本人が尊んだ「サ神」のこと。もともと山の神で五月(サつき)に田植えのため、田に降りてくることから田の神「穀霊」となった。「クラ」は神の座の意味。つまり「サ・クラ」は「穀霊のよりつく神の座」という意味になるそうだ。
花見はうかれてハメを外すことも多いが、桜の下で酒を飲む宴は単に楽しみだけでなく、国の平和と豊作を祈り、感謝する宴だったのかも知れない。
桜は観桜が一番。しかし食べる桜も忘れてはならない。桜餅の葉は本物の桜の葉っぱ。伊豆半島あたりが生産地。生の葉にはないクマリンという成分が葉を塩漬けにすると発生して香りの元になる。
また「桜ごはん」や「桜湯」もある。桜湯は、昔はおめでたい席では散るイメージから敬遠されたが、最近では結婚式でも喜ばれるお祝いの品。桜の花びらを使うが、これには二日酔いに効く薬効もあるそうだから花見の席で散った花びらを持ち帰るのも一興だろう(実際の桜湯に使うのは桜の花の塩漬け。七分咲きの花を白梅酢と塩で作る)。 花の花粉にも薬効があるそうで、桜の花の下で酒を飲むのはその薬効をいただくため、という花見起源説もある。それはともかく、花びらを猪口に浮かべて浮世の憂さを晴らす花見はストレス解消にもってこいの健康法。忙しさに薄れがちな職場のコミュニケーション促進に今年は桜の力を借りてはどうだろう。
今年の開花予想の三月二十二日は平年三月二十九日より七日早い。この冬の異常な気候にやや調子を狂わされたようだ。ちなみに気象庁が開花宣言に使う桜はソメイヨシノ。各地に定めた標本木の桜が三〜五輪以上咲いたら開花宣言。ソメイヨシノの発祥地、東京都豊島区駒込の染井銀座商店街は桜をイメージした日本酒を使った活性化も始めた。桜の名所は備後にも多い。地域経済活性化の開花宣言が待たれる。(J)

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