天谿会からのご案内

雪舟再来を世に示す歴史的イベントにごいっしょしませんか?

本年6月12日から16日まで5日間、中国浙江省寧波市にある天一閣で、「七類堂天谿畫展」が開催されます。七類堂天谿先生は道釈人物画家(水墨画家)として尾道市に「アトリエ鴉笑舎」を構えられ、破墨の技法を復活するなど傑出した画力により、寧波市の天童寺から540年ぶりに雪舟に続いて「天童第一座」の称号を得ておられます。このたびの展覧会はまさしく「雪舟再来」を世に示す展覧会となるもので、歴史的イベントとなります。ついては七類堂天谿先生とともに現地を訪ねる研修会(企画・実施:日本通運(株)大阪旅行支店「寧波天一閣展参観と杭州・上海5日間」)が実施されます。先生のご縁により、天童寺、西冷印社では一般の観光では味わえない特別な待遇でご案内いただける予定です。ぜひ、この意義深い、またとない研修会にごいっしょください。
                2009年4月 天谿会 事務局 二宮 仁

「雪舟」

国宝6点がある室町時代の水墨画家。いみ名は等楊。1420年、岡山県備中赤浜(総社市)の生まれ。宝福寺の小僧となり、涙で鼠の絵を描いた逸話で知られる。京都の相国寺で禅と画法を習い、その後、山口県の大内氏のもので作画。応仁元(1467)年には、遣明船に乗って中国を訪れ、寧波の天童寺から「天童第一座」の称号を与えられました。帰国後は山口市のアトリエ雲谷庵をはじめ、各地を旅しながら水墨画を描き、1506年に没するまで画聖と呼ばれるにふさわしい作品を残し、ダイナミックな構図と破墨の技法が大きな魅力となっています。

「天童寺」

天童寺の正式名は太白山天童景徳禅寺で中国浙江省・寧波(ニンポー)市にある南宋五山の一寺。アジアの禅宗総本山的位置付けにあり、時代に応じた複数の境内を持ち、それぞれに大伽藍が並ぶ。曹洞宗本山の永平寺もこの寺がモデル。臨済宗開祖で茶道の元を日本へ伝えた栄西禅師(1141—1215)、曹洞宗開祖の道元禅師(1200—1253)が天童寺に渡り、禅宗の教えを持ち帰りました。雪舟もこの天童寺から「天童第一座」の称号を与えられています。

「天童第一座」

天童寺の「天童第一座」は高位を表す称号。「天童首座(てんどうしゅそ)」の証としてこれまでに日本人では栄西、雪舟の二人に与えられたのみ。特に中国では「天童首座」=雪舟との認識を持ち、中国は世界の10大芸術家の一人に雪舟を挙げています。近年になって天童寺の持つ文化的価値を伝承する動きが中国で活発となり、雪舟没後五百周年の2006年に寧波市で「雪舟圓寂500年式典」が開催され、「天童第一座」が七類堂天谿氏に与えられました。

「寧波市」

中国浙江省のまち。人口約560万4千人(寧波市政府、2006年統計)。上海市の南に位置し、2007年5月に完成した杭州湾海上大橋(世界最長35.7km、時速100km)により車で約1時間半の距離。遣明船の受け入れ港であり、古の昔から文化交流のまち。美しい西湖で知られる杭州市も近く。プラスチック成形機・金型、アパレル産業の集積地でもあります。